表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
347/969

第八十六章 篠ノ目学園高校 1.昼休み(その1)

「――え? 職業解放クエスト……って、何?」



 妙な経緯で妙なクエストに巻き込まれた(みず)()からのメールを読んで、こちらも同じように慌てたカナが改めて(みず)()にコンタクトを取り……双方共に〝()く解らない〟という結論に至ったのが昨夜の事。元凶となった種子を寄越した張本人(シュウイ)にカナが話を訊くという事で、その時は一応の妥結をみた訳であったが……


 一夜明けた昼休み、(かなめ)に事情を説明された(しゅう)(いち)にしてもコメントに困る。〝職業解放クエスト〟とは何だ?

 自分は()(ぶん)にして聞いた事が無いが、βテスターなら知っているのだろうか……と思って(たくみ)に視線を巡らせてみたが、こちらもポカンとしているだけであった。



「……(かなめ)ちゃん。間違ってたら謝るけど……何か珍しい事が起きた――っていう事なのかな?」

「えぇ……概ねその認識で間違ってないわ」



 (かなめ)本人は、〝珍しい〟ではなく〝初めての〟ではないかと疑っているのだが、既に解放クエストを(こな)した誰かが黙っている――という可能性も無きにしは(あら)ずなので、(かなめ)としても断定は避けた。だが、珍しいのは間違い無い。



「……てか、『職業解放クエスト』なんてのがあるなんて、俺は初耳なんだが?」

「言わせてもらえれば私も――そして『ワイルドフラワー』のみんなもよ」



 隣に座る(あかね)もコックリと(うなず)いている。



「……僕、どう珍しいのかも解んないんだけど……」

「あぁ……(しゅう)は転職の儀を受けてないんだっけ……」



 きまり悪げな口調の転職未経験者(しゅういち)に、βプレイヤーの三人が優しく、噛んで含めるように説明していく。



「えーと……つまり……未解放の職業が現れた事が問題な訳?」

「まぁそうだな。そんなもんがあるって事すら、公表されてなかったし」

「転職に際して、今まで知られていなかった職業が提示された事はあっても、クエストが必要だった事なんて無かったのよ」

「……色々訊きたい事はあるんだけどさ、その前に……〝今まで知られていなかった職業〟って……例えば?」

「そうね……確かトリマーがあった筈よ」

「トリマーって……犬の美容師だよね。……そんな職業があったの?」



 思いがけない職種名を出されて驚く(しゅう)(いち)に、



「えぇ。確か随分悩んだ挙げ句に別の職業にしたらしくて、掲示板が炎上してたわね。……けど、あれをして〝根性無し〟と非難するのは、私としてはどうかと思うんだけど」

「うわぁ……」



 軽く引いた(しゅう)(いち)であったが、やや置いて話を本筋に戻す。



「――話を戻すけどさ、要するに今まで提示されたレア職業と違って、何か特定の技術や知識を持っている必要があるんじゃないか――って、思ったんだけど……」

「その技術や知識を持っているかどうかを確認するためのクエスト――そう言いたいの? (しゅう)君」

「うん。……けど、トリマーがすんなり提示されたって聞いて……」



 困惑する(しゅう)(いち)であったが、幼馴染み三人組は考え込んでいた。確かに犬猫のトリミングにコツは必要だろうが、そこまで特殊な知識が必要だろうか?

 (ひるがえ)って今回の例を検討すると……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ