濃い父親
ツカサの持ち主に話を聞きに行くためにスーパーに訪れる回です。どんな人物なんでしょうか!
ツカサについて色々知りたいことがあったのでスーパーの店主、おそらくツカサの持ち主に話を聞きに行くことに決めた。
「とりあえずスーパーに行くぞ!店長に話聞きに行ってくる。ツカサは疲れてたら俺ん家で待ってても全然いいよ。」
ツカサは自らを景品だと名乗った。しかしその真意は分からない、本当は持ち主から逃げ出して来たのかもしれないし、何より本人の目の前で持ち主に色々な質問することに抵抗があった。アンドロイドと言っても感情がある。俺が無神経な発言をしたら傷ついてしまうだろう。
「大丈夫です。私も行きます。お父さんにさっそく会いに行ってくれるなんて嬉しいです。」
持ち主をお父さんと呼んでいる事に気づいた。俺はさっそくツカサを傷つけてしまうような発言を言葉に出さないだけで発してしまっていた。安易にアンドロイドの所持している人は持ち主だと考え、それが当たり前だと感じていた。けれども関係性というものはどんな人、ものであっても同じではない。考え無しの発言は誰かを傷つけるそう思うことは沢山あったはずなのについついしてしまう俺はダメなやつだ。
「私これから家事なんでも頑張ります。カヅキの大学生活を精一杯支えます。」
自己嫌悪に囚われていたが大学生活と聞いて俺には愛しのマノちゃんという存在がいたことを思い出した。マノちゃんも好きだがツカサのことも気になる、俺は宙ぶらりんな状態で両者共々に失礼なことを考えていた。
「それじゃ、スーパー行こっか。目と鼻の先にあるからすぐ着くけどね。」
エブリデイハッピースーパーは俺の住むマンションの目の前にある。だからこそここで住むようになってからは毎日通っていた。なんでも惣菜類の味が良く毎日食べても飽きないほどであった。
俺の部屋は3階にあるので階段で降りよう。エレベーターでばったり誰かに遭遇したら変な誤解をされてしまうかもしれない。重いドアを閉め鍵をかける。この前ここら辺で空き巣事件があったらしいのだ。どれだけ技術が発展しても抜け道を見つけ出して犯罪をするやつらは存在する。用心しておくに越したことはない。
スーパーに着くまでにツカサと会話は特に交わさなかった。お互いにツカサの父に会いに行くことに緊張していたのだろう。恋人に正式になった訳では無いが彼女の親に当たる人に会いに行くのに心臓が過剰反応していたのだ。
「お邪魔しまーす...店長はいますかー?」
完全にロボットだけが営業してるスーパー、人の気配が感じられなかった。空虚に向けて叫んだように見えたが幸い反応してくれるロボットがいた。
「店長に御用でございますか?伝えたいことがあるのなら何なりとお申し付けください。」
「すみません。店長に『枝光カヅキです。ツカサの件でお話したいことが有ります。』と伝えて欲しいです。」
「了解しました。お待ちください。」
会って話しができそうと分かり安堵の気持ちが胸に広がった。真相が知りたい気持ちの方が大きくなってきて緊張も落ち着いてきたのである。
「ツカサのお父さんには色々聞きたいことがあるからなー。会って話しできそうで安心した!」
ツカサについ本心を吐露してしまった。
「そうですね。私の説明だけだと何が何だか分かりませんよね。もっと詳しく話しましょうか?」
「いや!大丈夫だよ!ツカサから話しにくいこととかあるかもしれないし。」
確かにツカサの説明だけでは俺の彼女になるという経緯があまりにも不明瞭だった故にお父さんに話を聞きに行こうと思ったのは本心だ。でもツカサがアンドロイドである事が本当かなどという問いは本人から答えることに苦痛を感じるかもしれない。そういうことを無理やり聞きたいわけではない。
そんなこんな考えているうちに足音が聞こえてきた。
目に入ったのはツカサのお父さんと思われる男性であった。
「はぁ〜い♡ツカサちゃんの父兼母兼兄兼姉の健一でぇーす♡君が噂のカヅキくんねぇ。私の審美眼に狂いはなかったみたいねぇ、ツカサを追い出して来たって感じじゃぁ無さそうだしぃ♡」
「なんて濃い父親なんだ!!」
あまりの衝撃で我を忘れてしまい本音を口走ってしまった!さっきの反省をまたしても忘れてしまったというのか!
「私のお父さん、健一です。」
「これからよろしくねぇーん♡いやこれからもよろしくの方が正しいかしら?スーパーご利用ありがとうねぇ。」
やっぱり200年後設定が世界観を考える際に邪魔してきます!現在と大きく変えないといけないのになかなか難しい!




