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無敵だけど行動不能!?伝説装備のデメリットが重すぎる  作者: 秋月心文


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目指せ!レベルアップ

キラーラビットの巣だという場所に着いた。


クローバーのような高さの低い草だけが生えてて、木がなく、少し開けた広場のような場所で、

真ん中が、こんもり盛り上がっており、その周辺に無数の穴が開いていた。



ココロは、その盛り上がった場所の頂点に、俺に着いた。


そして、すばやく、広場の端まで移動すると、ウォータージェットで、無数に開いた穴のひとつから、水を流し込み始めた。


水攻め…というヤツか…。



すると、あちこちの穴から、50センチくらいの大きさのウサギみたいなヤツが、一斉に出て来た。

100匹前後と言っていたから、そこまで出てくるのだろう。


ウサギみたいと言っても、耳は短く、ハリネズミみたいに針で覆われた体をしてて、触れるだけでも痛そうだ。

頭には、ウサギの耳を思わせるような位置に前方に向けた鋭く長い角が2本ついているので、遠目に見たら、ウサギに見えるかもしれない。

前足や後ろ足はウサギのような形状をしていて、強力なジャンプ力で、角を突き刺すように突進してくれるらしい。

かなり、痛いんだろうな…。ぞっ…とした。



キラーラビットが出てきた途端、俺の鎧は、盾と剣を自動的に構えた。


そして、盾から、レーザー光線がたくさん出始めた。

レーザー光線は、時には湾曲しながら、キラーラビットの全ての瞳に向かって飛んで行った。


キラーラビットは、穴から出てきてスグは、水攻めの原因を探そうとするのだが、

その途端、目にレーザーを飛ばしてくる俺を敵視し、ココロの読み通り、俺にだけ向かってきた。


全身の針が全て立ち上がった状態で、

頭の鋭利な角を、俺の鎧に突き刺すような感じで、強力なジャンプ力でぶつかってくる。


「痛い、痛…ったた」


次々と攻撃が注ぐ。攻撃力が強いと言ってただけにハンパない痛さだ。

レベルが低い分「強い痛覚」として伝える制限が付いてるから、

突き刺されたり、押しつぶされて骨が折れたり内臓が破裂するかのような「激痛」が何度も伝わってくる。

1匹、1匹が、さっきのイノシシの数倍か10倍くらいの衝撃で、とても強い痛みとして感じる。


「ぐは…、あぐ…」

だんだん、声にならなくなってくる。

鎧で体は保護され、怪我にはならないというが、とにかく、痛すぎる。

それが、四方八方から、体のあちこちに注いだ。腹にも、顔にも、足にも、そして、股の大事な部分にも…。



ココロとユーマは、俺から離れた場所から、ファイヤージェットと、ウォータージェットで、1匹づつ殺していく。

防御力が貧弱だからカンタンに倒せると言っていたが、レベル差もあるだろうし、とても数が多いので、なかなか、終わらない。


こうしているうちに、体全体が、体の中から、とても熱くなる感覚を感じた。

もしかして、これがレベルアップ?。ステータスとか出せないので、確認する術はないが…と、思っていたら…。


「サクタ、今、みんな、レベル2になったよ。このまま頑張って…。」

ココロや、ユーマも、同じような感覚になったようで『世界の知識』で確認したようだ。


「げほっ…、ぐがっ…」


「ぐっ…、あが…」


「うが…、ごふっ…」


でも、相手の数が多いせいか、なかなか終わらない。


一方、ココロや、ユーマは、時折、MP切れとかになるみたいで、小休止しては談笑などをして、なごやかな感じだ。

「へぇ~、そうなんだ。あはは…」


もちろん、その間も、俺には、攻撃が絶え間なく続いているのだが…。

でも、MP切れじゃ仕方ないか…。


「ぐほ…、うっ…」


「ぐご…、がはっ…」


こうして、何回かの小休止をしているうちに、当初目標のレベル3になった。

レベルアップで、MP量も増えていくからか、だんだん小休止が少なくなっていくが、

四方八方から絶え間ない攻撃に晒されている以上、ここから動く事が出来ない。


「う…、あぉ…」


「あっ…、はぁ…ん」

なんか変な声が出てしまった。

何時間もボコられ続けて、だんだん、痛みがクセになりそうな感覚になってきた。

やばい、それは、やばい。そんな体質になりたくない。


「げっ…、がっ…」


「あっ…、あっ…」


「ぐ…、あっ…」


そして、最後の1匹になった時、他の個体より倍くらいありそうなキラーラビットが登場してきた。

頭の角の数も3本と、他の個体より多い上に、真ん中の角は、ひと際太くて紫色の光を放っている。

なんだかやばそうた。


「うが…、ぐぉ…」

こいつの攻撃がめちゃくちゃ痛い。


「ぐほっ‥、あが…」

ココロや、ユーマの攻撃が、何発当たっても倒れない。その間も、俺は、耐え続けていた。


そのうちに、こいつの動きが鈍くなってきた。

俺の『アーティファクト』の効果で、目か、耳か、鼻か、その辺の感覚がおかしくなっているようだ。


こうして、こいつの動きがふらつきはじめ、やがて、息絶えた。


痛みを続ける戦いは、やっと終わってくれた。

とても、ホッとするハズなのだが、なんだろう、なんか…もっと殴られたがっている自分がいる気がした。

やばいな、変な嗜好が目覚めてしまったのだろうか…。



「お疲れさま~。ひとり痛い思いをさせて、ごめんね。攻撃痛かったよね。頑張ったね。

 でも、おかげで、こっちには、攻撃は来なかったよ。ありがとっ。」

そうして、ココロは、微笑んで、鎧の上から頭をなでてくれた。

鎧の上からでも、やわらかい手で触れられた感覚が伝わってきて、気持ちいい。

この笑顔を守れたと思えば、良かったよな…?。俺、変な趣味に目覚めてないよな…?。



「ところで、今、レベルいくつになった?」

「今、3人とも、レベル13だよ。外町の冒険者がレベル8くらいが平均らしいから、なかなかの成果だね。

 『アーティファクト』を6時間で脱げるレベルになったし、6時間以上経ってるから、もう脱げるんだけど、

 町に着くまで何があるかわからないから、脱ぐのは待ってね…。」


「…って、俺、6時間くらい、ボコられてたのか…。」


「うん、よく頑張ったと思うよ。ホント、ありがとっ。」

ちくしょう、カワイイなぁ…。でも、男なんだよな…ココロ。



「さて、キラーラビットの素材は売れるらしい。体内の魔石も、角も、毛皮も、肉も…。

 そこそこの値段がつくらしいので、キラーラビットの死体はまとめて『無限収納』に入れていいかな?。」


「あぁ」

俺が『無限収納』を開くと、ココロとユーマが、100匹近いキラーラビットを、俺の『無限収納』の中に放り込んでいった。


最後に出て来た親玉みたいなヤツは、死んでも角が光ったままだった。放射能とか出てそうで、ちょっと怖い。


「それじゃあ、町に向かおうか…」

「ユーマ、サクタを運んでもらってもいい?」


そして、ユーマが俺を小脇に抱えて、思わず口に出した。 

「何だこれ、めちゃくちゃ軽いな。見た目、すごく重そうなのに、ほとんど重さ感じないぞ。

 こんなんで、よく攻撃耐え続ける事出来たな…。」

ホント、それ…。俺もそう思う。

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