初戦闘を終えて…
「あんなに軽かったのに、あんなにすごい突進を受けても、全く動かないなんてスゴイね。」
ココロでも軽いと言ってたのに、確かに、不思議だ…。
ココロは世界の『世界の知識』を見ながら、俺の『アーティファクト』について説明してくれた。
「えーと、今、サクタが装備している『アーティファクト』は
「フラッシュアーマー」「イージスの盾」「聖剣エクスカリバー」…。スゴイ名前だね。」
「へへ…。」
いいね。カッコイイ装備名だ。
「装着中は、重さがゼロになるらしいけど、
敵意や悪意のある相手には、ピクリとも動かす事が出来ないんだって。不思議だよね。」
「なるほど。」
「えーと、これを装備している時に、
レベル999未満の敵の攻撃は、鎧が無効化するらしい。まさに無敵だね。」
「確かにケガはしてない気がするな…。脱いでみないと、何ともわからんけど…。」
「だけど、レベル999より、レベルが低い人が装備すると、
レベルが低い分だけ、脱ぐまでに長い時間を必要とする制限と、
レベルが低い分だけ、中の人が、鎧を重たく感じて自由に動けない制限と、
レベルが低い分だけ「強い痛覚」として伝わる制限があるみたい。…って、大丈夫だった?。」
「すげー、痛かった…。」
「あはは…。たぶん、相当痛かったんだろうね。」
「ありがと、サクタ…。」
ココロのカワイイ笑顔とカワイイ声で褒められると、なんだか照れる。
「何者かから、殺意を受けたり、敵視されると、
自動的に盾と剣を構えて、鎧と剣が目立つように淡く光り始めて…」
「うん、うん…」
確かに、何か光ってた気がするな…。
「そう言えば、なんかレーザーみたいなのが出てたんだけど…」
「うん、盾から、敵の目の数だけ、赤いレーザー光線が断続的に照射されてた。
浴び続けたら失明するほど強い光らしいから、光が消えた時も残像として残るだろうね。」
「相手の攻撃が、妙にズレてたのは、その為だったのか…。」
「ちょっと不思議だったのは、霧の中でもないのに、この光線の軌跡がハッキリ見えてて、
サクタの後ろに敵が移動した時には、光がカーブして、サクタの後ろに向かっていった。
単なるレーザー光線ではないんだろうね。」
「ジィーって音が出てたように聞こえたんだけど…」
「ボクらにも同じように聞こえたけど、
実際には複数の音が出ていて、敵の鼓膜の位置で、
音が重なって、ものすごい轟音が、断続的に伝わってて、
聞き続けると、鼓膜がダメになるらしい。」
「あと、何か芳香剤みたいな感じがしたんだけど…」
「うん。ミントみたいな爽やかな香りも出てたんだけど、
敵の鼻には、顔をしかめたくなるほど、強烈な刺激臭として伝わるようになってたらしい。
対して、味方には、不快な匂いを中和して消臭する効果があったらしい。」
「ほぉ~」
剣にも、いろいろ効能がありそうだけど、
今は、動かす事さえ出来ないから、使えるようになったら聞く事にしよう。
って…自由に動かせるのは、レベル999になった時らしいけど、それって、いつの話?。
・ ・ ・ ・ ・
「さて、あんなのが、他にもいるかもしれないから、ここから離れようと思うんだけど、
このイノシシの素材って売れると思うので、まるごと『無限収納』に入れたいんだけど、入るかな…」
「無限っていう名前がついてるし、入るんじゃないか…」
「とりあえず、入れてみるね。う~ん、これは…、おっ、重っ…、」
ココロが苦戦していると…
「任せろ」
そう言うと、ユーマが、ひょいとバカでかいイノシシを軽々と持ち上げ『無限収納』の中にほおおりこんだ。
すげーな、ユーマ。こういうとこが、イケメンって感じする。きっとモテるだろうな、こいつ。
「ありがと、ユーマ。」
ココロのカワイイ笑顔とカワイイ声が、他の人に向けられてるのを見ると、ちょっと嫉妬してしまう。
でも、カワイイ笑顔とカワイイ声が見れたからいいか…。
・ ・ ・ ・ ・
「さて、当初の目的は達成したんだけど…」
「早く町に行こうぜ。ん?、何か問題か?」
「サクタだよ。動けないから「銅像」みたいになってる。たぶん、人として扱われない。
レベル1の状態では『アーティファクト』は3日間は脱げないらしい。
かといって「銅像」のまま入るのも、いろいろ問題がある気がする。」
「んー、確かに…。」
「それに、このままだと、きっと顔の部分も動かせないから、3日間、ごはん抜きなんだよね。」
「勘弁してくれ…」
「だから、この森で、少しレベルを上げてから、町に入ろうと思う。
レベル3になれば24時間で脱げる。
レベル6なら12時間で…という事なので、まずは、レベル3以上を目指そうと思う。」
「少し先に、キラーラビットという魔物の巣がある。
レベル30くらい。 レベル差が大きいので、普通に考えたら勝てない相手で、
100匹程度の群れで同時に攻撃してくる上に、攻撃力はやたら強いらしい。」
「ちょ…そんなん無理じゃん。」
「でも…ね。防御力が貧弱で簡単に殺せるらしいんだ。
それに、敵の攻撃は、サクタにしか行かないから、
ボクとユーマが離れて攻撃すれば、カンタンにレベルが上がると思う。」
「え?」
「その鎧はレベル999未満の攻撃は無効化するらしいから、
サクタがケガする事はないので、安全だよ。」
「でもレベル低い分「痛覚」として伝えてくるんだろぉ?」
「そこは…。まぁ、我慢して…。
レベル上げないと、3日間、ごはん食べれないし…。」
「ん~。まぁ、そうか」
…という、ココロの提案で、キラーラビットの巣に向かった。
痛いのは嫌だけど、ごはん抜きはつらいので、従う事にした。




