選択の時
「しかし、すごいものだな」
組長は、ゲロまみれの俺を見て言った。
正直返答に困ったが、ココロが前に出る。
「ありがとうございます。うちの盾役は優秀ですから」
「そのようだな。アンデット討伐の時にも見せてもらったが、
スタンピードも、今回も、死傷者ゼロで切り抜けるとはな」
そうか、損害ゼロで済んだのか。
正直、誇らしかった。
間違いなく俺の、いや『アーティファクト』の功績だ。
「できれば、わかるカタチで評価いただけるとうれしいです」
ココロが売り込みに出る。
イケイケじゃないか。さすが、リーダー。
「ギルド長!」
組長は、ギルド長を呼びつけた。
「は、はい」
「こいつらを、Bランクに推薦したい」
「わかりました」
「ありがとうございます!」
ココロが深く礼をする。
ユーマもそれに続く。
俺も続く。
待望のBランクだ。
これにに上がるには、組長クラスの推薦が必要と聞いて、
かなり遠い話だと思ってたのだが、
こんなに早く達成できるとは。
「サクタのおかげだね」
ココロが、ポンと背中を叩く。
実にいい感じだ。
ギルドの連中に「銅像」さんではなく、
「サクタ」さんと知ってもらえれば、もっと良かったけど……。
功績よりも先に「ゲロのサクタ」が広まってしまった。
今回はアンデット大量発生、
スタンピード、タマナ組襲撃と、かなりの敵を倒した。
俺の『アーティファクト』が、
俺の『アーティファクト』が全ての敵視を集めてしまうので、
敵のタゲは俺たちのパーティが占有する結果となり、
俺たちのレベルは、かなり上がった。
ココロによると、
俺の初期ジョブ「ナイト」のレベルは40を超えたらしい。
ココロやユーマも、きっとレベルが上がっているんだろう。
あいつらが新しく得た力も知りたいが、
俺の関心事は自分のことでいっぱいだ。
俺はレベル30を超えたら、次のジョブを1つ取得できる。
ナイトのは、どのジョブを取得しようか……。
選ぶために考えているときは一番楽しい。
今の段階で選ぶことができるジョブは……。
白魔導士:回復、蘇生、後衛
弓術士:長距離攻撃、後衛
暗殺者:認識されない、強力な攻撃、前衛
拳闘士:鋼の肉体、強力な攻撃、前衛
でも、また、デカいデメリットがあるんだろうな。
「次に取るジョブを考えてるの?」
「よくわかったな」
「一気に30まで上げれそうな時以外は、
別のジョブは、おススメできないかな」
とココロ。何かデメリットがあるらしい。
「例えば、弓術士に切り替えたら、
レベル1から開始で、弓術士が30になるまで、
ナイトに戻すこともできないんだ」
「え?」
それは、ちょっと面倒だな。
「今が無敵なだけに、ちょっとリスク大きいかな」
「じゃあ、当分はこのままだな。
一応、それぞれのメリットとデメリットを聞いてもいい?」
「うん」
ココロは紙に書きだした。
白魔導士
デメリット:
HPがレベルと同じ数値、攻撃が当たったら即死。
メリット:レベル1からできること
自動蘇生が自分自身にかかる。
回復、蘇生ができる。
レベルが上がれば継続回復も可能。
「サクっと死ぬけど、自動蘇生があるから生き返るってことか」
「でも、臨死体験はすると思うよ」
弓術士
デメリット:
HPがレベルと同じ数値、攻撃が当たったら即死。
メリット:レベル1からできること
相手の知覚範囲外から、精密狙撃が可能。
「近づく前に狙撃でやつける感じか」
「少ない敵ならなんとかなりそうだけど、
スタンピードだと、強力な前衛がいないと厳しいかな」
暗殺者
デメリット:
HPがレベルと同じ数値、攻撃が当たったら即死。
パーティメンバにも気づかれない。
誰にも気づかれないため、人に当たりまくる。
メリット:レベル1からできること
誰にも気づかれずに、標的に接近できる。
誰にも気づかれずに、攻撃できる。
1回の攻撃で与えるダメージが即死級。
「気づかれないから、殺されにくいかな」
「でも、流れ弾や範囲魔法の巻き添えは避けられんよ?」
拳闘士
デメリット:
筋肉が肥大化、力を入れるとさらに隆起。
『アーティファクト』以外は着られない。
メリット:レベル1からできること
鋼のような強い肉体になる。
HPが9999になる。
強力な攻撃ができる。
攻撃間隔が短い。
「これは、強そうだな」
「そうだね。次は、拳闘士か、白魔導士が妥当かな」
「ココロ的には、拳闘士推しか?」
ココロは少し考えてから答えた。
「ボクが後衛だから、前衛が多い方が安心できるかな」
「なるほど」
・ ・ ・ 翌 日 ・ ・ ・ ・ ・
俺たちは、
ギルド長からの呼び出しということで、
カレンさんに連れられて会議室に通された。
何だろう?
もしかして、Bランク昇格がダメになったとか?
それとも、やっかいな依頼か?
お読みいただき、ありがとうございます!
少しでも楽しんでいただけましたら、
★や【ブックマーク】で応援していただけると、
今後の創作活動の励みになります。




