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無敵だけど行動不能!?伝説装備のデメリットが重すぎる  作者: 秋月心文


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19/21

英雄の正体はゲロまみれ

「今後は、タマナ組の侵攻だ!」

 ギルド長が、

 自分自身をも鼓舞するのかのような強い口調で言った。


「『遠見』のスキル持ちが確認した。

 今はまだタマナ組の辺りで、部隊を集結中らしい。

 ここに到着するのは3日後の見込みだ」


 今はリキャスト待ちだけど、

 そのくらい後なら俺の『アーティファクト』も使えそうだ。

 少なくとも今日は祝勝会の肉を食べるのに専念できる。


 とはいえ、今度の相手は人間だ。

 目の前でグロイ光景が広がるのを見続けるのはつらいな。

 まぁ、目をつぶってれば、誰かが倒してくれるだけマシか。


「冒険者登録してるものは全員参加して欲しい。

 最低報酬はさっきと同様だ」

 ギルド長はそう言うとココロに耳うちした。

「例の銅像さんはいけそうか?」

「大丈夫です」


「次の戦いでも敵の攻撃は『銅像』さんが受けてくれる。

 おまえらは、敵を背後から討ってもらうだけでいい!」

「「「おぉ!!」」」

 冒険者諸君、俺の痛みを知らないで盛り上がるのはやめて!

 まぁ、俺が銅像化するのが一番確実なのは否定しない。


 その後、ココロがギルド長に、何か耳うちをしていた。

 ギルド長は、それに驚いていた。

 何を話していたのだろうか。

「わかった。それは、こちらで対処する」

 とギルド長は話していた。


 こうして周りが盛り上がっている間に、

 俺たちは、腹いっぱい肉を食べまくった。


 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・


 俺たちは部屋に戻り、作戦会議をした。

「敵は、ボクたちが

 今回のスタンピードで弱ったところを叩く算段だったらしい。

 僕らの戦闘があと2日はかかるとよんでたらしい」


 予定外の結果って訳ね。


「彼らの到着は3日後の予定だけど

 ボクたちの状況を知って急いでくるかもしれない」

「つまり、いつ来るかわかんないってことね」

「まぁ、そういうことだね」

 ココロは苦笑いをした。


「今回の相手は人間だ。当然、人殺しをすることになる」

「うん」

「サクタは最前線でそれを見せられる。

 目をつぶっててくれて手構わない。なんなら、寝ててもいい」

「人殺しを見るのは初めてだ。

 正直、自信はない。状況次第ではそうするよ」

 実際、そうなってみないとわからない。


「たぶん、大丈夫だと思うけど、一応言っておくことがある。

 連中は全員にあのナイフを持たせている」

「あれで殺せば、スキルが奪えるってナイフか」

「うん」

「あれで、トドメをさした時だけね。

 ただ、あれ自身に毒を塗っても同じ効果があるらしい」

「マジか」

 ココロは静かに頷いた。


「サクタには、そもそも攻撃が届かないので毒も入らない」

「ボクとユーマはそれができない。

 だからなるべく後方から、

 『清水』や『火炎魔法』で攻撃するのがおススメだ。

 最終判断は、ユーマ自身に任せるよ」

「あぁ」


 ・ ・ ・ 2日後 ・ ・ ・ ・


 ヤツらは予定を大幅に早めて来たらしい。


 スタンピードの時と同じく、俺を銅像として設置するのだが、

 ココロは皆を集め、俺が『アーティファクト』を使うのを見せた。


「「「おぉぉ、今回も『銅像』さんが味方してくれる」」」

 皆の関心事は、『銅像』さんが誰なのかよりも、

 今回も『銅像』さんが参戦してくれるのか……だった。

 ちょっとやる気が萎える。


 俺は入口よりやや前方の位置に「設置」された。


 敵の姿が見えてきた。

 なかには、戦う前からゼイゼイ言ってるのがいる。

 連中は、ほとんど歩兵だった。

 ずっと走らされてきたのだろう。


 最初に馬に乗っているヤツが来て、

 馬に蹴られたが、はじき返した。

 馬はそれでバランスを崩し、乗ってるヤツは落馬した。

 冒険者たちに、切りつけられ絶命する。


 次に、巨大ハンマーを使う大男が、馬を降りて駆けてきた。

 ノックバックを狙うつもりらしいが、こいつもはじき返し倒れた。

 こいつも冒険者たちに、切りつけられ絶命する。


 次に近づいてきたヤツは、とてもたくさん着込んでいた。

 俺よりだいぶ前でユーマの火炎魔法が着弾し爆発した。

 ユーマは結局、後方からの支援を選んだようだ。

 爆弾を着込んで、自爆攻撃を狙ってたらしい。


 敵が少し怯んできた。

 後方の魔導士部隊が詠唱を始めた。

 俺の頭上に巨大な魔法陣が、いくつも登場した。

 これは、広域攻撃魔法というヤツなのでは?。


「前衛。範囲攻撃が来るぞ!!」

 誰かが、そう叫んだ。

 しかし、魔法は発動しなかった。

 いや、違う。敵の魔導士が燃え始めた。

 よくわからんが、あれもはじいたらしい。


 これは……すげぇな。無敵じゃん、俺。

 その後、単発魔法、火矢、砲撃などなど飛んで来るが、

 すべてはじき返した。


 俺の『アーティファクト』は、

 敵の両目に対し色のついたレーザーが照射される。

 指揮官自ら、隠密部隊と共に奇襲をしかけるも、

 それで、可視化されていた為、奇襲にならず、

 冒険者たちに切り殺された。


 俺の『アーティファクト』は、

 さらに別の場所にも、レーザーを照射していた。

 ギルド職員だった。

 どうやら、敵のスパイだったようだ。

 ギルド長が半殺しにして捕縛した。吐かせるためだろう。


 ココロがギルド長に話していた内緒話は、

 このことだったようだ。


 戦闘は、夜に始まり、陽が昇るころまで続いた。

 正直、途中からは寝てた。


 途中、何が起こったのかはわからない。

 でも、寝れたってことは、痛くなかった訳だから、

 俺の元にたどり着くまでに倒せたか、撤退したのだろう。


 ゆっくり目を開けると朝陽がまぶしかった。

 そうだった。動けないので、朝陽を避けれなかった。

 仕方ないので、二度寝した。


「サクタ、サクタ……」

 とても、カワイイ声で、目を覚ます。

 ココロだ。

「大丈夫だった?」

「あ、あぁ」

 目を開けると、

 目の前にはかなりグロイ死体の山が積まれていた。

 思わず吐いた。

 鎧の中で吐くということは、

 その匂いから逃げられないということで……。

 2度、3度吐く羽目になった。

 こうして、ギルドに戻り『アーティファクト』を解除したところ、

 ゲロまみれだったので「ゲロのサクタ」という二つ名がついた。

 もう、今回は、散々だ。


 ふと気がついたのだが、今回は、組長が来ていた。

 まさか、組長の前で、ゲロまみれの姿をさらすことになろうとは。

 お読みいただき、ありがとうございます!


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