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無敵だけど行動不能!?伝説装備のデメリットが重すぎる  作者: 秋月心文


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17/21

墓地に置くだけの最強戦術

 ウルク城塞内の墓地で、アンデットが発生する事件が発生し、C+ランク・パーティの俺たちに指名依頼が来た。


 依頼内容:「アンデットの退治」

 依頼料 :金貨10枚(100万円相当)


 ココロは、簡単に達成できそうだとあっさり受領した。

 嫌な予感はしたが、否定材料もない。


 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・


 問題は、ココロとユーマにはアンデット対策がないことだった。

 だが『世界の知識』によると、

 俺の『アーティファクト』はアンデット特効だった。


 盾は弱体化と挑発。

 鎧は接触で浄化。

 剣は……構えるだけで封印状態。


 つまり。

 俺を墓地に「置くだけ」でいい。


 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・


 ウルク城塞に入るには、

 ウルク組の人の同行が必要だそうだ。


 担当のカレンさんが、同行を承諾。

「差し支えなければ、私が、同行します」


「で、作戦は?」

「夕方から墓地でサクタに銅像化してもらう」

「銅像化?」


「後で、見ればわかりますよ」

 嫌な単語が出てきた。


 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・


 作戦は単純だった。

 早めに夕食を済ませる。

 夕方、墓地に移動。

 アーティファクト発動。

 そのまま放置。


 夜になればアンデットが発生。

 あとは全部、俺の装備が勝手に処理。

 他のメンバは、塔の上から観察。


 ◇ ◇ ウルク城塞 ◇ ◇


 ウルク城塞は、ウルク組の家だ。

 組とは、大家族の事だ。

 日本とは違い、数千人規模の大家族だが……


 そこに里帰りしているわけだから、

 久しぶりに帰ってきたカレンさんを見つけ、

 組の人たちがあちこちから次々と話しかけてくる。


「カレン、久しぶり!」

「元気にやってるか!」


 そんな中、ひとり、異質な男が、近づいてきた。

「お前らが噂のパーティか」

 カレンさんの父親だという。


 つまり、ウルク組のトップ――ディーノ・ウルク。

 そして、今回の指名依頼の主でもある。


 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・


 墓地へ向かう前に、ディーノさんにも、作戦を説明した。

「……銅像?」

 ディーノさんのツッコミが入る。


「見ればわかります」

 説明は捨てた。


 ◇ ◇ 夕方、墓地に到着 ◇ ◇


 ディーノさんやカレンさんからの視線が重い。


「じゃあ……行くぞ」

 俺は、アーティファクトを起動した。

 動けない。

 完全に「置物」だ。


 ◇ ◇ 夜、ここは塔の上 ◇ ◇


「……あれが、銅像化ですか」

「はい。動けないので……」

「本当に?」

「動けない代わりに、全部防ぎます」


 墓地が明るくなった。

「はじまりましたね」

 盾から何本ものレーザーが放たれ、アンデットが崩れていく。

「消えた……」

「本当に消えますね」


 次に、鎧が触れた個体が、光になって消滅する。


 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・


 だが、大型のアンデットは違った。

 サクタのところまで到達し――

 鎧をかじって――

 消えた。


「……あれ、なんか悲鳴が聞こえるんだが?」

「仕様です」


 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・


 ココロが支援できないか試し始めた。

「支援してみるね」


 ウォータジェットを、アンデットに向ける。

 アンデットが、さらに崩れる。


「お……これでも削れそう」


 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・


「なんか、サクタさんの悲鳴が大きくなってませんか?」

「仕様です」


「この作戦、大丈夫なんですか?」

「目的は達成できます!」


「ただ……」

「ただ?」

「すごい、痛いらしいですけど……ね」


 ・ ・ ・ 夜明け前 ・ ・ ・


 墓地は静かになった。

 アンデットは消え、

 地面には討伐証明となる部位が無数に散らばっている。


 サクタは――

 まだ「銅像」のままだった。


 肩を軽くつつく。

 反応がない。まるで〇〇のようだ。

「まるで気絶のようだ……って思ってます」

「前もそうだったな」


 そう言って、ココロとユーマは、討伐部位を拾い始めた。

 こうして、依頼は、無事完了した。


 そんな時、とんでもない一報が舞い込んだ。

「大変です。スタンピードが発生しました」

 お読みいただき、ありがとうございます!


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