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無敵だけど行動不能!?伝説装備のデメリットが重すぎる  作者: 秋月心文


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カース・ウルク

「リタ(偽名)」という名前で「クロアノ」を手に入れた「アクル・タマナ」は、

神界から盗み出した「ロブナイフ」の複製を試みた。


複製品は「オリジナル」同様に、そのナイフで相手を「殺す」事さえ出来れば、

相手の「スキル」と「蓄積経験値」を奪える事が出来た。


このナイフを「シーカー」と名付け、自分たちの側近を通じて、他組の人間にばらまいた。

「スキル」をたくさん奪って「タマナ組」に来れば「組の幹部」として登用すると伝えて…。


・ ・ ・ ・ ・


この世界では生まれながらに「スキル」を得たものは、重宝されてきた。

逆に言うなら「スキル」を持たないものは、冷遇されてきた。


冒険者ギルド職員「カース・ウルク」は、「ウルク組」として生まれたが、

「スキル」を持っていなかったので、幼くして「外町」に放り出された。


放り出されたと言っても「外町」では名の知れた先輩冒険者(現ギルド長)に預けるカタチで

「外町」に出されており、決して、捨てられた訳ではなかった。


「ウルク城塞」の中では、

スキルがない事で、差別されたり、見下されたり、劣等感を強く感じる日々だったが、

「外町」は「スキルのない者」が多く存在しており、差別も、劣等感を感じずに済んだ。


けれど、

幼くして「親たち」から離れた事で、常に寂しさを感じ「親たち」を恨まずにはいられなかった。

もちろん、それは、ただの逆恨みなのだが、

幼い子に、それを理解出来るハズもなく、ただ、ただ、逆恨みが蓄積されて育っていった。


先輩冒険者(現ギルド長)の助けもあり、冒険者として頑張ってきたが、

スキルがある者と比べると、成果が大きく違っていた。

スキルのある・なしで、こんなにも違ってしまうのかと…ショックを受けた。


最終的に、ギルド職員というポジションに落ちつたものの、気分は晴れなかった。


そんな、ある日、スキルを手に入れる事が出来る方法があるという噂を聞いた。

それは、隣国「マジカ帝国」の国境沿いにある「タマナ組」で手に入るという。


「カース」のいる「ウルク」の隣に位置する城塞都市だが「徒歩で1週間以上」はかかる距離にある。

「馬車」も徒歩より圧倒的に速い訳ではなく、往復2週間弱は覚悟する必要がある。

だけど、どうしても「スキル」を手に入れたい。それも出来るだけ有用なスキルを…。


・ ・ ・ ・ ・


「カース」は長期休暇の申請を出し「タマナ」に向かった。

自分と同じ噂を聞きつけたのか「タマナ」の入口は人が長い列が出来ていた。

そして、タマナ組長補佐という「トバル・タマナ」という人物と面会した。


「トバル」は、

・「シーカー」というナイフで人を殺すと「スキル」を奪う事が出来る

・「タマナ組」は有用なスキルをたくさん持った人を「組の幹部」として登用する

…という旨の説明をした。嘘はついていない。


「カース」は目を輝かせて、その話を聞き「シーカー」を受け取った。


・ ・ ・ ・ ・


ギルドに帰ると、新人教育担当というポジションが待っていた。

新人の中に「瞬間移動」というスキルを持った子がいた。

まだ子供だが、そのスキルで教官たちとの模擬戦で、無双ぶりを発揮していた。


そういうスキルを持っているなんて、うらやましいと思った。とても妬ましく感じた。

けれど、今、自分の手元には、例のナイフがある。


その子は、とても自信過剰で、今すぐダンジョンで活躍出来ると豪語していたが、

教官たちからは、まだ早いのでやめておけと言われていた。


その子と二人きりになった「カース」は、

一緒についていってやるから、ダンジョンに行こうと誘いだした。


ダンジョンの中で「カース」は「シーカー」で、その子を殺した。

「瞬間移動」は厄介だが、

一度捕まえてしまえば、自分と一緒に瞬間移動する事になり、逃げられることはなかった。

何より、子供の体では、鍛えに鍛えた大人の体の「カース」から逃げる事は出来なかった。


すると「カース」は「瞬間移動」のスキルを得ただけでなく、レベルもアップした。

どうやら、このナイフは、経験値も奪ってしまうものらしい。とても強くなった気がした。


翌日、ギルドでは、その子がいなくなった事で、大騒ぎになっていた。


ダンジョンの中で死ぬと、遺体も、装備品もダンジョンに吸収され、

遺体も身に着けていたものも残らない為、見つかる事はないだろう。


数日後、その子が愛用していたナイフが、ダンジョンの宝箱から出てきた。

ギルド職員も、その子が、ダンジョンにとても行きたがっていた事を知っていたので、

ギルドは、勝手にひとりで行った結果、死んでしまったのだろう…という結論を下した。


こうして「カース」は、味をしめた。次も同じような事をしてみたいと…。


その後、なかなか丁度良い機会に恵まれないまま、

数か月が経過したある日「初心者」が「ダンジョン」に行って帰らない事案が連続して発生してきた。


調査の為、ギルドも動く事になった。


運がいいのか悪いのか「カース」は「初心者狩り」の現場に遭遇してしまった。

「初心者狩り」を行っていたのは「トバル・タマナ」をリーダーにした一団だった。


「トバル・タマナ」は「ナバル」という名前で活動してた。

彼らの目的は、自分と同じで有用なスキルを奪う事だった。


「カース」は、彼らを見逃す代わりに「初心者」の中から一人だけ、自分に殺させる事を提案した。

「ナバル」一行は、その提案を受け入れた。


以降「初心者狩り」は、不定期に発生。

これに対し、ギルドも調査を行うが、ギルドが調査をする日には「初心者狩り」は発生しなかった。


こうして「カース」と「ナバル」の蜜月関係が続いていく。


その結果「カース」も「ナバル」達一行も、Cランク以上の力を有するまでに成長していった。


・ ・ ・ ・ ・


そろそろ「初心者」から「中級者」に狙いを変えてもいいかもしれない。そう思い始めていた。


そんな折、今回「キキョウ」という「Cランク」パーティの担当に抜擢された。

彼らは、皆、成人(この世界での…)前後の年齢なのに、「Cランク」に抜擢されていた。


きっと、すごいスキルを持っているのだろう…と思った。

これは、チャンスだ…。カースは、ニヤリと笑った。


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