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『俺だけドロップ率∞のバグスキル持ちだった ~底辺探索者のダンジョン配信が、いつの間にか世界最強チャンネルになっていた~』  作者: やまご


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第52話 静かな朝と、離れない選択

「……終わったわね」


朝。


柔らかい光。


ビルの屋上。


昨夜の戦いが嘘みたいに静かだ。


俺は空を見上げる。


「……静かですね」


アリアが隣に立つ。


距離。


自然に近い。


肩が触れる。


もう。


何も言わなくても。


当たり前。


「ええ」


短く。


だが。


少しだけ柔らかい声。


そのとき――


ぐいっ。


引かれる。


ドン。


密着。


完全に。


「……まだ確認」


小さく。


俺は苦笑する。


「逃げませんよ」


アリアが即答。


「知ってる」


だが――


離さない。



そのとき。


ヘリの音。


複数。


GEO。


さらに――


各国の識別コード。


コメント欄(後追い)。


「世界来てる」

「やばすぎ」


屋上に降り立つ。


スーツの男たち。


緊張感。


だが。


どこか――


敬意。


「ユウト・カグラ様」


代表の男が言う。


「今回の件について」


一瞬。


間。


「正式に“協力要請”を行いたい」


もう。


依頼じゃない。


交渉。


俺は言う。


「断ったら?」


男は答える。


「尊重します」


だが。


続ける。


「ただし、あなたはすでに世界の均衡に影響を与える存在です」


正論。


完全に。


コメント欄。


「国家案件」

「個人じゃない」


そのとき。


アリアが一歩前に出る。


俺の手を引く。


密着。


完全に。


「……この人は」


低い声。


「私が守る」


宣言。


だが――


今までと違う。


“対等な立場での発言”。


男は頷く。


「理解しています」


そして。


一言。


「だからこそ、我々は“敵になりたくない”」


空気が少し緩む。


俺は考える。


そして。


答える。


「……情報共有くらいなら」


落としどころ。


男はすぐに頷く。


「それで十分です」



交渉終了。


ヘリが去る。


静寂。


再び。


屋上。


俺とアリア。


二人。



「……大人になったわね」


アリアがぽつりと言う。


俺は笑う。


「前からですよ」


その瞬間。


アリアが少しだけ睨む。


「嘘」


即答。


だが――


口元が少しだけ緩んでいる。



そのとき。


俺はふと気づく。


「……あれ?」


違和感。


存在干渉。


感覚。


少しだけ鈍い。


「どうしたの?」


アリアが聞く。


俺は答える。


「……ちょっと」


手を見る。


「使いすぎたかもです」


正直に。


アリアの表情が変わる。


「……無理したでしょ」


低い声。


俺は苦笑する。


「まあ、多少は」


その瞬間。


アリアが一歩近づく。


さらに。


距離ゼロ。


顔がかなり近い。


「……ダメ」


小さく。


だが。


強く。


「無理しないで」


完全に。


本気の言葉。


俺は頷く。


「はい」



そのとき。


アリアがほんの少しだけ躊躇う。


そして――


そっと。


額を寄せる。


軽く。


触れるくらい。


「……ほんとに」


小さく。


「無事でよかった」


その声。


完全に。


素。


俺は少し驚く。


だが。


すぐに笑う。


「ありがとうございます」



少しの沈黙。


風が吹く。


だが――


距離はそのまま。


離れない。



そのとき。


アリアが小さく言う。


「……ね」


「はい」


「これからも」


一瞬。


言葉を選ぶ。


「……一緒にいるでしょ?」


遠回し。


だが。


十分すぎる言葉。


俺は迷わず答える。


「もちろんです」


その瞬間。


アリアがほんの少しだけ安心する。


「……ならいい」



そして。


自然に。


手を握る。


今までで一番。


穏やかに。



世界は変わった。


だが――


二人の関係も。


確実に。


変わっていた。



そして。


遠く。


見えない場所。


「……執行者が落ちたか」


低い声。


「想定より早い」


別の声。


「だが問題ない」


一人が笑う。


「むしろ」


一言。


「“目覚めた”」


その言葉。


意味するのは――


「次は我々が出る」


完全に。


“本体”。



嵐はまだ終わらない。


だが――


今は。


ほんの少しだけ。


静かな時間。



そして。


その隣には。


もう。


当たり前のように。


アリアがいた。



第52話 完


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