第51話 世界を書き換える力と、離れない理由の答え
「……ここからが本番だ」
執行者の声。
その瞬間――
空が砕けた。
空間が裂ける。
都市全体が歪む。
コメント欄(配信ON)。
「規模おかしい」
「終末感」
俺は息を吐く。
「……来ます」
アリアが頷く。
「ええ」
そして――
手を握る。
強く。
自然に。
「離れないで」
俺は答える。
「はい」
⸻
次の瞬間。
執行者が踏み込む。
速い。
見えないレベル。
だが――
「見える」
俺が言う。
完全に。
「左!」
アリアが動く。
ザンッ!!
受ける。
だが。
重い。
「っ……!」
初めて。
押される。
コメント欄。
「やばい」
「押されてる」
その瞬間。
俺が踏み込む。
存在干渉。
発動。
だが――
「浅い」
弾かれる。
完全に。
上。
執行者が笑う。
「まだ届いてない」
その言葉。
核心。
俺は理解する。
「……そうか」
足りない。
“深さ”。
⸻
その瞬間。
アリアが俺の腕を引く。
ドン。
密着。
完全に。
顔が近い。
「……見て」
小さく。
「迷わないで」
その言葉。
真っ直ぐ。
俺は頷く。
「……はい」
⸻
目を閉じる。
集中。
存在干渉。
さらに。
さらに深く。
「……違う」
今までの使い方じゃない。
「干渉じゃない」
「……重ねる」
存在そのものを。
“重ねる”。
その瞬間――
世界が止まる。
コメント欄。
「止まった?」
「なにこれ」
すべてが静止。
音も。
風も。
時間すら。
その中で。
俺とアリアだけが動く。
「……これが」
俺が呟く。
アリアが答える。
「……本質」
理解している。
完全に。
⸻
執行者が動く。
だが――
遅い。
完全に。
「……なるほど」
初めて。
焦り。
俺は手を伸ばす。
触れない。
だが。
存在を重ねる。
その瞬間――
完全に同一。
「終わりです」
一言。
アリアが踏み込む。
ザンッ!!!!!!
⸻
深く。
完全に。
命中。
⸻
執行者の体が止まる。
崩れる。
膝をつく。
「……ここまでか」
小さく。
笑う。
「いいね」
顔を上げる。
「“外側”に届いた」
その言葉。
意味深。
そして――
消える。
完全消滅。
⸻
静寂。
世界が戻る。
音。
風。
すべて。
俺は息を吐く。
「……終わった」
その瞬間――
ぐいっ。
引かれる。
ドン。
密着。
完全に。
アリア。
そのまま。
抱きしめる。
しっかりと。
「……無事?」
声が近い。
かなり。
俺は答える。
「はい」
その瞬間。
アリアが少しだけ力を抜く。
「……よかった」
小さく。
そして――
そのまま。
離れない。
⸻
しばらく。
沈黙。
ただ。
寄り添う。
戦いの余韻。
完全に。
共有している。
⸻
そのとき。
アリアが小さく言う。
「……ね」
「はい」
「今回」
少し間。
「ほんとに怖かった」
本音。
俺は少し驚く。
「アリアさんが?」
アリアが頷く。
「ええ」
そして。
少しだけ顔を上げる。
距離。
近い。
「あなたが」
一瞬。
言葉を止める。
「……いなくなるのが」
はっきりと。
俺は答える。
「いなくなりませんよ」
その瞬間。
アリアがほんの少しだけ目を細める。
「……約束」
俺は笑う。
「はい」
⸻
そのとき。
アリアがほんの少しだけ近づく。
距離。
ほぼゼロ。
呼吸が触れる。
「……なら」
小さく。
「離れないで」
今度は。
お願いじゃない。
当たり前の確認。
俺は答える。
「はい」
⸻
そのまま。
二人。
離れない。
完全に。
当たり前の距離。
⸻
遠くで。
リゼが笑う。
「もうそれ答え出てるよね」
カイが一言。
「決まりだな」
⸻
夜空。
静か。
だが――
世界は変わった。
完全に。
そして。
その中心にいるのは。
もう。
間違いなく――
俺たちだった。
⸻
第51話 完




