第50話 重なる存在と、世界を書き換える一歩
「……来る」
その瞬間――
夜空が裂けた。
ビル群の上空。
空間そのものが歪む。
「総力戦だ」
低い声。
アウト・サークル執行者。
前回の男。
その背後に――
さらに二人。
合計三人。
だが。
気配は前回以上。
コメント欄(配信ON)。
「来た」
「ラスボス感」
アリアが言う。
「……ここで止める」
その声。
迷いなし。
そして――
手を握る。
強く。
自然に。
「離れないで」
俺は答える。
「はい」
⸻
次の瞬間。
三人同時。
消える。
だが――
「見える」
俺が言う。
完全に。
「右!」
「上!」
「後ろ!」
連続指示。
アリアが応じる。
ザンッ!!
ザンッ!!
ザンッ!!
三連防御。
完璧。
コメント欄。
「やばい連携」
「人間じゃない」
⸻
だが。
敵も止まらない。
「まだだ」
空間全域。
干渉。
重圧。
視界が歪む。
「……っ!」
俺の体が沈む。
立てないレベル。
その瞬間――
アリアが支える。
腕を回す。
完全に。
抱き寄せる形。
「……立って」
近い。
呼吸がかかる距離。
俺は歯を食いしばる。
「……いけます」
⸻
カイが突っ込む。
「道を開ける!」
真正面。
ザンッ!!
衝突。
空間が裂ける。
リゼが叫ぶ。
「今しかない!」
援護。
解析。
完全。
⸻
俺は目を閉じる。
集中。
存在干渉。
さらに深く。
「……違う」
今までと。
「固定じゃない」
「書き換える」
理解する。
世界の構造。
ズレ。
流れ。
全部。
「……触れなくていい」
手をかざす。
その瞬間――
空間が変わる。
コメント欄。
「なにした?」
「やばい」
敵の動きがズレる。
完全に。
一瞬だけ。
「今!!」
アリアの声。
全力。
ザンッ!!!!!!
⸻
一人。
撃破。
⸻
だが。
残り二人。
むしろ――
強くなる。
中央の男が笑う。
「やっと来たか」
興味。
完全に。
「それが本質だ」
次の瞬間。
さらに圧。
世界が崩れる。
ビルが歪む。
空間が裂ける。
コメント欄。
「都市壊れる」
「規模おかしい」
俺の意識が揺れる。
限界。
その瞬間――
アリアが顔を近づける。
距離。
ほぼゼロ。
「……見て」
小さく。
だが。
はっきり。
「私を見る」
俺の視界。
アリアだけになる。
「……一人でやらない」
その言葉。
強く。
俺は頷く。
「……はい」
その瞬間。
完全に繋がる。
感覚。
思考。
呼吸。
全部。
「……これなら」
見える。
完全に。
「行くぞ!」
カイ。
「合わせて!」
リゼ。
全員。
同期。
⸻
俺が世界を“撫でる”。
ズレを変える。
流れを変える。
敵の攻撃。
逸れる。
「……!」
初めて。
男が驚く。
「今!!」
アリア。
最大速度。
ザンッ!!!!!!
⸻
深く。
命中。
⸻
男の体が揺れる。
だが――
倒れない。
「……いいね」
笑う。
完全に。
本気。
「じゃあ」
一歩踏み出す。
「ここからが本番だ」
圧。
さらに上。
世界が軋む。
コメント欄。
「まだ上あるのか」
「終わってない」
俺は息を吐く。
「……きついですね」
正直に。
アリアが言う。
「ええ」
だが。
手は離さない。
「でも」
少しだけ目を細める。
「勝てる」
確信。
俺は笑う。
「ですね」
⸻
二人。
完全に並ぶ。
守るでも。
支えるでもない。
“隣”。
そのまま。
同時に踏み込む。
⸻
戦いは。
最終局面へ。
⸻
第50話 完




