第49話 外側の戦いと、離さない手
「……来る」
俺が呟いた瞬間――
空間が裂ける。
夜のビル街。
光が歪む。
「また会えたね」
声。
アウト・サークル。
執行者。
今度は――
三人じゃない。
五人。
コメント欄(配信ON)。
「増えてる」
「本気だ」
アリアが即座に動く。
俺の手を引く。
ドン。
密着。
完全に。
「……離れないで」
低い声。
だが。
今までと違う。
“共有する覚悟”。
俺は答える。
「はい」
⸻
中央の男が前に出る。
前回の執行者。
「今回は回収する」
淡々と。
その言葉に。
殺意はない。
ただ。
“作業”。
コメント欄。
「怖い」
「格が違う」
その瞬間。
全員が動く。
同時。
速すぎる。
だが――
「見える」
俺が言う。
完全に。
位置が分かる。
「左!」
「後ろ!」
指示。
アリアが即応。
ザンッ!!
ザンッ!!
二人の攻撃を弾く。
だが――
三人目。
上。
「……!」
俺が踏み込む。
手を伸ばす。
存在干渉。
発動。
空間を固定。
「今!」
アリア。
一閃。
撃破。
コメント欄。
「連携やばい」
「完成してる」
⸻
だが。
残り四人。
まだ余裕。
中央の男が言う。
「いい連携だ」
だが。
次の瞬間。
圧が増す。
「でも」
空間が歪む。
「足りない」
全域干渉。
重い。
立っているだけで限界。
コメント欄。
「重力やばい」
「潰される」
俺の膝が揺れる。
「……っ」
その瞬間。
アリアが支える。
腕を回す。
完全に抱き寄せる形。
「……立って」
低く。
近い。
距離ゼロ。
俺は息を整える。
「……いけます」
⸻
そのとき。
リゼとカイが到着。
「遅れた!」
リゼ。
「来るぞ!」
カイ。
戦線拡大。
⸻
だが――
敵は冷静。
「増えたところで同じ」
その瞬間。
一人がリゼへ。
一人がカイへ。
分断。
コメント欄。
「やばい」
「個別に潰される」
アリアが言う。
「……集中」
俺を見る。
「私とあなたで一人落とす」
即断。
俺は頷く。
「はい」
⸻
中央の男。
一番強い。
そこへ。
踏み込む。
「来るか」
余裕。
その瞬間。
俺は目を閉じる。
集中。
存在干渉。
さらに深く。
「……見える」
世界のズレ。
線。
繋がり。
すべて。
「そこだ!」
手を伸ばす。
触れない。
だが――
干渉。
強制的に。
固定。
「……!」
男の動きが止まる。
初めて。
「今!!」
アリア。
全力。
ザンッ!!!!
命中。
だが――
浅い。
男が笑う。
「惜しい」
その瞬間。
逆に干渉される。
視界が歪む。
「……っ!」
体が動かない。
コメント欄。
「やばい」
「カウンター」
その瞬間。
アリアが無理やり割り込む。
ドン。
完全密着。
俺を覆う。
「……触らせない」
怒り。
本気。
男が言う。
「無駄だ」
さらに圧。
空間崩壊レベル。
だが――
俺は言う。
「……無駄じゃない」
その瞬間。
手を握る。
強く。
アリアと。
完全に。
繋がる。
「……一緒にやる」
俺が言う。
アリアが頷く。
「ええ」
その瞬間。
感覚が融合する。
視界が開ける。
「……これなら」
理解する。
存在干渉の“使い方”。
「固定じゃない」
「流れを変える」
コメント欄。
「進化した?」
「やばい」
俺は空間を撫でる。
ズレを誘導。
男の攻撃が逸れる。
「……!」
初めて驚く。
「今!!」
アリア。
最大速度。
ザンッ!!!!!
⸻
深く。
命中。
⸻
男の体が崩れる。
膝をつく。
「……なるほど」
笑う。
「そこまで来たか」
そして――
立ち上がる。
だが。
一歩下がる。
「今日はここまでだ」
撤退。
他の執行者も同時に引く。
完全に。
統制された撤退。
⸻
静寂。
夜風。
俺は息を吐く。
「……なんとか」
その瞬間。
アリアが引き寄せる。
ドン。
密着。
今までで一番強く。
「……無事?」
声が近い。
かなり。
俺は笑う。
「はい」
その瞬間。
アリアがほんの少しだけ目を閉じる。
「……よかった」
そして。
そのまま。
離れない。
⸻
遠くで。
リゼが笑う。
「もうそれデフォだね」
カイが一言。
「崩れないな」
⸻
俺は空を見る。
「……次は」
アリアが言う。
「決着ね」
確信。
俺は頷く。
「はい」
⸻
戦いは。
次の段階へ。
だが――
手は。
離れない。
⸻
第49話 完




