第46話 黒環の中枢と、失いたくないもの
「……ここが本拠地」
夜。
都市外れ。
巨大な廃施設。
だが――
ただの廃墟じゃない。
空気が歪んでいる。
コメント欄(配信OFF・潜入モード)。
※この作戦は非公開
「……完全に要塞ですね」
俺は呟く。
隣。
アリア。
いつもの距離。
手。
絡んだまま。
「正面から行くわよ」
即答。
迷いなし。
「潜入じゃないんですか?」
俺が聞く。
アリアはちらっと見る。
「隠れる必要ある?」
強い。
俺は苦笑する。
「ないですね」
⸻
そのとき。
背後から声。
「相変わらずだね」
リゼ。
軽く手を振る。
「ちゃんと呼んでくれてありがとう」
共闘。
完全に。
「今回で終わらせる」
真面目な顔。
アリアが頷く。
「ええ」
そのとき。
さらに一人。
カイ。
無言で現れる。
「……行くぞ」
短く。
全員揃う。
コメント欄(もし流れてたら神回確定)。
⸻
突入。
ドンッ!!
扉を破壊。
内部。
すぐに敵。
黒環構成員。
だが――
雑魚。
ザンッ!!
ザンッ!!
瞬殺。
進む。
奥へ。
奥へ。
そのとき。
空間が変わる。
広いホール。
中央。
立っている。
ヴァイス。
「……来たね」
笑っている。
だが。
今までと違う。
完全に。
“待っていた”。
「ここが終点」
低い声。
周囲に気配。
複数。
幹部クラス。
コメント欄(あれば炎上確定)。
「最終決戦」
「やばい」
アリアが一歩前に出る。
「……ここで終わらせる」
俺の手を握る。
強く。
「離れないで」
その言葉。
今回は――
覚悟。
俺は答える。
「はい」
⸻
戦闘――
の前に。
一瞬。
静寂。
そのとき。
アリアが小さく言う。
「……ね」
「はい」
「終わったら」
少し間。
「ちゃんと休むわよ」
珍しい言葉。
俺は笑う。
「いいですね」
その瞬間。
アリアがほんの少し笑う。
「……約束」
そして――
戦闘開始。
⸻
ヴァイスが動く。
「最初から全開で行くよ」
空間が歪む。
位相侵食。
全域。
今までとは桁違い。
コメント欄(脳内)。
「やばい」
「領域展開レベル」
リゼが叫ぶ。
「範囲広すぎ!」
カイが突っ込む。
真正面。
ザンッ!!
ぶつかる。
だが――
弾かれる。
「っ……!」
初めて押される。
そのとき。
俺とアリア。
同時に動く。
「合わせる!」
「はい!」
手を握る。
強く。
存在干渉。
発動。
空間を強制的に固定。
「今!」
アリアが踏み込む。
ザンッ!!
命中。
ヴァイスが笑う。
「いいね」
だが――
止まらない。
さらに侵食。
「まだ足りない」
圧が増す。
俺の視界が揺れる。
負荷。
大きい。
「……っ!」
その瞬間。
アリアが支える。
「無理しないで」
小さく。
俺は言う。
「……まだいけます」
だが――
アリアが首を振る。
「一人でやらない」
強く。
「一緒にやる」
宣言。
その瞬間。
感覚が変わる。
繋がる。
もっと深く。
「……見える」
俺が呟く。
位相のズレ。
完全に。
そのとき。
リゼが支援。
「ここ!」
カイが突っ込む。
「開ける!」
全員連携。
完成。
ヴァイスが初めて顔を歪める。
「……やるね」
その瞬間。
空間がさらに崩れる。
最終段階。
「これで終わりだ」
全力。
だが――
俺は言う。
「終わらせるのはこっちです」
その瞬間。
存在干渉。
さらに深く。
“重ねる”。
「……!」
ヴァイスの動きが止まる。
完全固定。
アリアが叫ぶ。
「今!!」
ザンッ!!!!!!
⸻
命中。
⸻
ヴァイスの体が崩れる。
膝をつく。
「……はは」
笑う。
「ほんと」
顔を上げる。
「面白い」
そのまま。
崩れ落ちる。
⸻
静寂。
幹部たちも動かない。
戦意喪失。
完全勝利。
⸻
俺は息を吐く。
「……終わりましたね」
アリアがゆっくりと寄る。
ドン。
密着。
今までで一番自然に。
「……終わった」
小さく。
そして。
ほんの少しだけ。
顔を近づける。
「……約束」
俺は笑う。
「はい」
⸻
黒環。
崩壊。
だが――
戦いはまだ終わらない。
世界は。
さらに大きく動き始める。
⸻
第46話 完




