第37話 未踏の領域と、交わる三つの線
「――ここがSランクダンジョン」
巨大なゲート。
空気が違う。
重い。
圧がある。
コメント欄(配信)。
「来た」
「本物」
「やばい空気」
俺は息を吐く。
「……今までと別物ですね」
隣。
アリア。
腕を絡めたまま。
密着。
だが。
その目は完全に戦闘モード。
「当然」
短く。
「気を抜いたら死ぬ」
コメント欄。
「女王」
「本気」
そのとき。
背後から声。
「遅かったね」
振り返る。
リゼ。
いつもの笑顔。
だが。
今回は――
少し違う。
「ちゃんと来た」
軽く手を振る。
コメント欄。
「再会」
「共闘?」
アリアが言う。
「……今回だけよ」
牽制。
リゼは笑う。
「分かってるって」
そして。
ちらっと俺を見る。
「でもさ」
「ちょっとくらい期待してもいい?」
挑発。
コメント欄。
「始まった」
俺は苦笑する。
「やめてください」
その瞬間。
アリアの手が少し強くなる。
「……余計なこと言わないで」
低い声。
リゼは笑う。
「怖い怖い」
だが。
楽しそう。
そのとき――
新たな気配。
重い。
振り向く。
そこに立っていたのは――
長身の男。
黒い装備。
無駄のない動き。
「……君たちが」
低い声。
「例のトップか」
コメント欄。
「誰?」
「強そう」
リゼが言う。
「紹介するよ」
軽く肩をすくめる。
「カイ」
「S級の中でも頭一つ抜けてる」
男――カイは静かにこちらを見る。
特に。
俺とアリアの距離を。
「……随分と」
一瞬。
間。
「無防備だな」
鋭い指摘。
コメント欄。
「来た」
「突っ込み」
アリアが即答する。
「問題ない」
一歩も引かない。
カイは少しだけ目を細める。
「そうか」
だが。
それ以上言わない。
「ならいい」
静かに言う。
「死ぬなよ」
一言。
そして。
ゲートへ向かう。
コメント欄。
「強キャラ」
「怖い」
リゼが笑う。
「今回、ちょっと面白いでしょ?」
俺は苦笑する。
「確かに」
そのとき。
アリアが小さく言う。
「……気をつけて」
「はい?」
「アイツ」
視線。
カイへ。
「強い」
短く。
だが。
確信。
俺は頷く。
「分かりました」
その瞬間。
アリアが手を握る。
強く。
「離れないで」
自然に。
俺は答える。
「はい」
⸻
ダンジョン突入。
内部。
異質。
空間が歪んでいる。
重力が不安定。
コメント欄。
「ヤバい」
「別次元」
その瞬間。
敵出現。
⸻
Sランクモンスター:歪界兵
⸻
数が多い。
強い。
カイが動く。
速い。
一瞬で数体撃破。
無駄がない。
コメント欄。
「速すぎ」
「別格」
リゼも動く。
ドローン展開。
解析。
効率的に処理。
こちら。
アリアが言う。
「行くわよ」
手を引く。
密着のまま。
「はい」
連携。
動く。
ザンッ!!
ザンッ!!
今までより速い。
重い。
だが。
問題ない。
コメント欄。
「三つ巴」
「レベル高すぎ」
撃破。
ドロップ。
⸻
ポン
ポン
ポン
ポン
ポン
ポン
ポン
ポン
ポン
⸻
コメント欄。
「9個」
「安定」
リゼ側。
ポン×7
カイ。
ドロップなし。
コメント欄。
「差が出る」
「ドロップゲー」
カイが一瞬こちらを見る。
特に。
俺を。
「……面白い」
小さく呟く。
そのとき。
地面が揺れる。
ゴゴゴ……
空間が裂ける。
出現。
⸻
エリアボス:歪界将グラディウス
⸻
巨大。
圧倒的。
コメント欄。
「来た」
「やばい」
リゼが笑う。
「さあ」
「ここから本番」
カイは無言で構える。
アリアが言う。
「……やるわよ」
手を握る。
強く。
「離れないで」
今度は。
少しだけ強い声。
俺は答える。
「はい」
戦闘開始。
カイが突っ込む。
正面突破。
圧倒的火力。
リゼが支援。
解析。
隙を作る。
そして――
俺とアリア。
隙を突く。
連携。
極限。
ザンッ!!
ザンッ!!
空間が歪む。
攻撃が消える。
だが。
距離。
ゼロ。
感覚。
共有。
コメント欄。
「完成してる」
「強すぎ」
そして。
ラスト。
「終わり!!」
ザンッ!!
討伐。
⸻
ポン
ポン
ポン
ポン
ポン
ポン
ポン
ポン
ポン
ポン
ポン
ポン
⸻
コメント欄。
「12個」
「えぐい」
リゼ。
ポン×9
カイ。
ポン×1
コメント欄。
「差」
「やばい」
カイがこちらを見る。
「……なるほど」
短く。
「そういうことか」
理解した顔。
リゼが笑う。
「でしょ?」
そのとき。
さらに奥。
空間が揺れる。
もっと強い気配。
「……まだいる」
アリアが呟く。
俺は息を吐く。
「本番ですね」
その瞬間。
アリアが少しだけ寄る。
「……離れないでよ」
小さく。
俺は答える。
「はい」
⸻
未踏の領域。
まだ終わらない。
三つの線が交わり――
戦いは加速する。




