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『俺だけドロップ率∞のバグスキル持ちだった ~底辺探索者のダンジョン配信が、いつの間にか世界最強チャンネルになっていた~』  作者: やまご


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第20話 ほどけない距離と、言葉にしない関係

「……はぁ」


温泉。


探索者専用施設。


湯気の中で、俺は思い切り息を吐いた。


「生き返る……」


Sランクダンジョン。


さすがに疲れた。


コメント欄(配信再開)。


「きた」

「温泉回」

「ご褒美」


俺は苦笑する。


「なんか視聴者数戻ってきてますね」


スマホを見る。


同接。


80万人。


まだ異常だ。


そのとき。


隣の壁から声。


「ねえ」


アリア。


やっぱり来てる。


「聞こえる?」


「聞こえますよ」


コメント欄。


「壁越し」

「定番」


アリアが言う。


「今日」


少しだけ間。


「どうだった?」


珍しい質問。


俺は考える。


「……楽しかったですよ」


「強かったし」


「あと――」


一瞬、迷う。


だが。


「安心できたというか」


その瞬間。


壁の向こう。


沈黙。


数秒。


コメント欄。


「今のやばい」

「刺さった」


そして。


アリアの声。


少しだけ小さい。


「……そう」


そのとき。


ツルッ。


「え?」


音。


そして。


ドン。


壁の小窓。


開く。


「……」


「……」


視界。


アリア。


湯気。


濡れた肩。


近い。


かなり近い。


コメント欄。


「」


「」


「きた」


アリアも固まる。


数秒。


そして。


顔が赤くなる。


「……今」


「見た?」


低い声。


だが。


前みたいな怒りじゃない。


少しだけ恥ずかしそう。


俺は慌てる。


「見てません!」


コメント。


「嘘」


アリアはじっと見る。


そして。


ふっと笑う。


「……ほんとに?」


近づく。


窓越し。


距離。


かなり近い。


「ならいい」


そして。


小さく。


「見られても困らないけど」


コメント欄。


「強い」

「余裕」


俺は固まる。


そのまま。


少し沈黙。


そして。


アリアが言う。


「ねえ」


「出たあと」


「ちょっと付き合いなさい」


「え?」



数十分後。


休憩スペース。


ソファ。


俺が座ると。


すぐ横に――


アリア。


近い。


普通に近い。


「……」


「……」


肩が触れてる。


完全に。


コメント欄。


「ゼロ距離」

「通常運転」


俺が言う。


「隣空いてますよ?」


アリアは即答。


「ここがいい」


そして。


そのまま。


少しだけ。


寄る。


自然に。


完全に。


日常化してる。


コメント欄。


「もう付き合ってる」

「確定」


俺は苦笑する。


「そうですか」


そのとき。


アリアが言う。


「ねえ」


少しだけ真剣な声。


「さっきの」


「安心できたってやつ」


「はい」


「……どういう意味?」


距離。


さらに近い。


顔。


すぐ横。


逃げ場なし。


コメント欄。


「来た」

「核心」


俺は少し考える。


そして。


正直に言う。


「なんていうか」


「一緒にいると楽なんですよ」


「戦ってても」


「さっきみたいに近くても」


「嫌じゃないですし」


その瞬間。


アリアが固まる。


完全に。


そして。


ゆっくりと。


視線を逸らす。


「……」


沈黙。


数秒。


コメント欄。


「効いた」

「デレ確定」


そして。


ボソッと。


「……それ」


「反則」


「え?」


アリアは顔を逸らしたまま。


「……そういうの」


「簡単に言うのダメ」


だが。


次の瞬間。


ぐいっ。


引き寄せられる。


「っ……!」


肩。


完全に寄せられる。


今までで一番近い。


コメント欄。


「過去最接近」

「限界」


アリアが小さく言う。


「……でも」


「嫌じゃないなら」


少し間。


「このままでいいでしょ」


完全に。


肯定。


関係。


言葉にはしてない。


だが。


もう。


ほぼ。


答えは出てる。


コメント欄。


「確定」

「勝ち」


そのとき。


スマホ通知。


登録者数。



3,000,000人突破



コメント欄。


「300万」

「伝説」


俺は苦笑する。


「また増えてますね」


アリアが言う。


「当然」


そして。


俺の肩に軽く寄る。


「次」


「もっとすごいの行くわよ」


コメント欄。


「次章」


俺は笑う。


「どこ行くんですか」


アリアは少しだけ考える。


そして。


ニヤッと笑う。


「決まってるでしょ」


「世界最難関」


その目。


楽しそう。


そして。


少しだけ。


俺の方を見る。


「一緒に来るでしょ?」


俺は即答する。


「行きますよ」


その瞬間。


アリアがほんの少しだけ笑う。


そして。


ボソッと。


「……ならいい」


そのまま。


肩を預けてくる。


自然に。


完全に。


離れない距離。



こうして。


俺たちは次のステージへ向かう。


世界最難関ダンジョン。


そして――


まだ終わらない。


あの小悪魔の逆襲も。



第2章・前半 完


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