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赤塵のサンダーバード -機兵戦記-  作者: 星羽昴
第九章

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313/349

第313話 戦闘の終結

 カイザー機がA級ペルセウスを撃破するまでに、第4戦団のB級ジークフリードはB級ペルセウスを屠っていた。

 格納庫周辺で唯一残っていたのはただ1機。御堂と青柳が搭乗するA級0061(ジークフリード)機を、副武装の戦斧で殴打している機体だけである。

 11番機の左手がサインを送ると、第4戦団のB級ジークフリードはA級0061(ジークフリード)機の支援に向かう。3方向から包囲され攻撃を受けるB級ペルセウスは、為す術なく撃破されてしまう。

 A級ペルセウスと言う司令塔を失った部隊が沈黙するまで時間はかからなかった。ターミナルビルを攻撃していた3機はラインゴルドに、格納庫周辺で戦っていた6機は第4戦団の重甲機兵に屠られた。



 重甲機兵から降りたカイザーが、東城准将を庇ったA級0061(ジークフリード)機の傍に立った。A級0061(ジークフリード)機が上体を起こして、腹部の下に匿っていた東城准将を解き放つ。

 その様子を11番機のメインモニターで眺める射流鹿は、小さくため息をつく。


「何とも、微妙過ぎますね」


 ラインゴルドが仲介した会談相手である東城准将を、第4戦団麾下の重甲機兵が手に掛けるわけにはいかない。しかし、南部方面軍の騙し討ちを証言する東城准将がいなくなれば、第3戦団本体を『無制限かついかなる法の制約を受けない』報復の対象する好機でもあった。

 B級ペルセウスが、思惑を果たしてくれれば……と期待していたのが本音である。

 肩から背面バックパックを、戦斧で滅多打ちされたA級0061(ジークフリード)機を見る射流鹿には苦々しい思いがあった。



 南の空に、再び高高度用の信号弾が撃ち上がった。『戦闘終了』を示す第1戦団のものだった。少しの間をおいて第1戦団の軍用ヘリがS33中継基地の発着路に到着する。

 南部方面軍の陸上戦艦『ワイバーン』は大破。S33中継基地の南側に潜伏していた3隻の2連型陸上戦艦のうち2隻も大破、残る1隻は退却したとの報告が届く。


「日嗣皇子の完全勝利です」


 カイザーは、東城准将にそう告げた。敢えて「第4戦団」と言わずに「日嗣皇子」と言ったのだ。ラインゴルド、第4戦団ともに1機の損失も出さずに、南部方面軍の12機の重甲機兵を撃破したのは日嗣皇子の状況判断だったとカイザーは思う。


「うむ」


 生返事を返す東城准将の視線の先には、破壊された重甲機兵から脱出してきたパイロット達の姿がある。コクピットの破壊と共に息絶えたパイロットもいる中で、辛うじて生き延びた者もいる。東城准将の目は、発着路の一角に集められる生存者たちを追いかけていた。

 戦いの生存者は、総勢7名だった。

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