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赤塵のサンダーバード -機兵戦記-  作者: 星羽昴
第九章

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307/349

第307話 時間の問題?

 11番機は、交戦していたB級ペルセウスを退ける。B級ペルセウスは、喉元部分のセンサー回路の集中する部分を太刀で貫かれて戦闘不能となった。

 戦意を失い、大地に膝をつくB級ペルセウス……喉元を貫いた太刀を引き抜く11番機の右手が途中で止まった。

 太刀の角度を変えて、胸部装甲奥のコクピットに向かって、太刀をもう一度突き刺す。

 機体の駆動音が止まった。

 ……キンキン

 ……キンキン

 金属質の甲高い音……緊急停止したZCF(ズィーフ)機関が強制冷却される音である。コクピットが、突き刺された太刀によって破壊されたのだろう。パイロットも死亡した可能性が高い。


「パイロットは生かしておかないつもりか?」


「今の彼らの目標は、こちらの被害を大きくすることです。この状況では、何をしてくるかわかりません。どんな小さな不安要素も、確実に排除します」


 最悪、11番機に抱き付いて機体を自爆させる可能性もある。射流鹿の判断は、適切だと月夜見も思う。

 11番機は、機械眼球をA級0061(ジークフリード)機を攻撃しているB級ペルセウスに向け、その方向へ歩き出す。



 11番機が無傷で、B級ペルセウスを屠ったことで、両軍の均衡は崩れた。南部方面軍の瓦解は時間の問題だろう。

 青柳も、こちらへ歩いて来る11番機を確認して胸を撫で下ろす。

 グワーン!!

 刹那。激しい振動が、A級0061(ジークフリード)機のコクピットを見舞った。


「!」


 B級ペルセウスが、その頭部をA級0061(ジークフリード)機の顔面にぶつけてきたのだ。不意の衝撃に、機体が後ろへ仰け反る。

 ……メキッ

 ……メキッ

 A級0061(ジークフリード)機の機体は緩く揺れながら軋みをあげる。


「御堂准尉!」


 B級ペルセウスは、A級0061(ジークフリード)機が横倒しにした手楯に両手をかけて、それを退かそうとしてした。それをさせまいと、A級0061(ジークフリード)機は手楯を強く押さえる。手楯を奪い合う形で、2機の重甲機兵は力比べをしている格好になっていた。

 手楯の裏側には、東城准将がいるのだ。


「戦艦『グリフォン』艦長! シェルターに戻って!」


 青柳の絶叫を余所に、東城准将は『停戦せよ』のサインを出し続けている。



 11番機のSユニットで、月夜見はB級ペルセウスの思惑を推測した。


「東城准将は、今回の『日嗣皇子暗殺計画』が南部方面による騙し討ち(・・・・)か、それとも中央本部の指示かを証言する生き証人だ」


「東城准将が亡き者となれば、第3戦団中央本部を主犯にできると?」


「いち方面軍の叛逆より第3戦団中央本部が叛逆する方が、帝国を混乱させられる……帝国外勢力なら、そう考えるだろう」

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