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赤塵のサンダーバード -機兵戦記-  作者: 星羽昴
第九章

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302/349

第302話 シェルターの中

 格納庫へ避難した東城准将と戦艦『グリフォン』搭乗員は、地下のシェルター施設に収容されていた。


「静かになりましたね」


 地上の空中移送機エアブースター発着路での戦闘は、剣による格闘戦に移行した。そのためビーム砲の乱射がなくなり、ビームの被弾による爆発がしなくなる。地下にいる彼らには戦局の落ち着きを期待させた。

 副官である柳沢大佐の声に、東城准将も頷いた。東城准将は、地下シェルターの入口に立っているラインゴルドの兵士に歩み寄る。


「外の様子は、どうなっているのか?」


 ラインゴルド兵が覗き込むモニターには、格納庫の監視カメラが捉える外部の映像が映し出されていた。ラインゴルド兵が、東城准将にもモニターが見えるように身体を退けてくれる。


「すまないな」


 ラインゴルド兵に礼を言い、モニターの映像を覗く。

 第3戦団南部方面軍の所属章をつけたB級ペルセウスが、B級ジークフリードと剣での格闘戦を展開しており、B級ジークフリードの胸には青地に黒不死鳥の紋章がある。


「青地の黒不死鳥は、第4戦団の紋章に間違いないのか?」


 ラインゴルド兵はあっさりと頷いた。今更ながら、南部方面軍が第4戦団と敵対状態にあることを追認させられ、唇が歪む。カメラを切り替えて、他の映像にも目を通す。

 A級ジークフリードが、南部方面軍の所属章をつけたA級ペルセウスと戦っている。カイザー指揮官の機体だろう。

 ターミナルビルの前では、3機のB級ペルセウスを8機のB級ジークフリードが追い詰めている。東城准将がモニターを見ているうちに、3機のうち1機のB級ペルセウスが撃破された。


「既に戦局は決したではないか。何故、ラインゴルドは降伏勧告をしないのだ?」


 東城准将は、ラインゴルド兵の胸座むなぐらを掴んだ。これ以上戦いを続けることは、徒に犠牲を増やすだけだけだと思ったのだ。

 東城准将の脳裏には、赤塵の荒野で第4戦団と遭遇した時の記憶がよみがえる。協議の申し入れを無視して、一方的に『降伏』を勧告してきた。更に、容赦なく戦艦『グリフォン』を砲撃し破壊したのである。

 日嗣皇子は「勝利」よりも「殲滅」すること目的にしていないか?


「カイザー指揮官にラインゴルドの重甲機兵を退くように伝えてくれ。南部方面軍の指揮官は、俺が必ず説得する」


 東城准将には「ラインゴルドの過度な武装が、南部方面軍を刺激した」と思えていた。ラインゴルドが重甲機兵を退けば、南部方面軍も退くはずだ……そうなれば南部方面軍の指揮官を説得できるはずである。

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