表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
赤塵のサンダーバード -機兵戦記-  作者: 星羽昴
第九章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
301/349

第301話 俯瞰

 青柳に取っては、ナーガオウ州議事堂包囲戦はトラウマである。

 実戦任務で、久しぶりに第2戦団の煉獄峡研究所から出た。第2戦団の『朱雀』で、他の兵員と交流するのは楽しかった。殺し合いの戦争への参加であれ、つかの間の『日常生活』だった。

 第3戦団とナーガオウ州軍に打撃を与え、作戦は十分な成果を得た。

 しかし、作戦終了時に御堂が帰還命令を拒否した。御堂の命令違反に対して、日嗣皇子の11番機はGV3X(サンダーバード)をロケット砲で背後から撃った。

 爆発の衝撃に、青柳はSユニットで意識を失い、目覚めた途端に再教育のために研究所へ送り返されたのである。



 今回も、CRは御堂である。更に……御堂は正規のパイロットでもないし、第4戦団の兵員でもない。

 日嗣皇子は、それに気付いているのか?

(いえ、慌てては駄目だ。御堂准尉がわたしの指示に従っている限り、わたしが御堂准尉を守る義務があるんだから)

 この場で、A級0061(ジークフリード)機の被害を最小に抑えて『胡蝶』に帰艦する。今はそれだけに集中することにした。



 先行して来たB級ペルセウスの剣戟を、A級0061(ジークフリード)機は手楯に僅かな角度を持たせることで、その威力を削いでいた。致命の損傷を与えられないことに、B級ペルセウスの動きに焦りの色が滲み出す。

 後に追従する2機のB級ペルセウスが迫る。

 その一方に、11番機の指示を受けたB級ジークフリードが斬り掛かる。そして、残る1機の前には11番機が立ち塞がった。

 11番機を正面にしたB級ペルセウスは、躊躇うことなくロングソードを構えた。


「思い切りのいいパイロットですね」


「ふふん。この状況で、他の選択肢はあるまい」


 月夜見は小さく笑う。とは言え、B級機体でA級機体に損傷を与えられるとは考えないだろう。戦うフリをしながら「時間稼ぎ」をするはずだ。

 月夜見は、Sユニットから他の3箇所の戦場を俯瞰した。

 カイザー機は、A級ペルセウスに手間取っている。

 ターミナルビルを攻撃しているB級ペルセウス3機に対して、ラインゴルドは8機のB級ジークフリードで対峙し圧倒していた。B級ペルセウスは、既にターミナルビルへの打撃は諦めて時間稼ぎをしているだけだ。


「A級0061(ジークフリード)機を守り切れば、この戦いは終わりだな」


 第4戦団のB級ジークフリードは、B級ペルセウスを1対1の体勢で抑えている。B級ペルセウスを1機でも撃破できれば、この均衡は崩れて南部方面軍は一機に崩壊するだろう。

 カイザー機がA級ペルセウスを撃破するのを待つより、そちらが実現する可能性の方が高そうである。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ