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赤塵のサンダーバード -機兵戦記-  作者: 星羽昴
第九章

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第299話 衝撃?

「A級ペルセウスに集中する。他の戦闘は一切気にするな!」


 カイザーは、ベルーナに厳命した。本来なら地の利を有した本拠地での戦闘のはずが、足下を見られるような展開で後手後手を踏まされている。

 それだけ指揮官機である、眼前のA級ペルセウスの指揮能力が高いのだ。それを排除するのが最も適当な選択肢である。


「了解しました。A級ジークフリードの機体制御に集中します」


 ベルーナの返事に、カイザーは頷いた。



 御堂の絶叫が、A級0061(ジークフリード)機のコクピットに響き渡った。


「ぎゃああああああ!」


 A級0061(ジークフリード)機が機体を隠す巨大な手楯に、B級ペルセウスは体当たりを仕掛けてきたのだ。およそ100トンの物体が時速60キロメートルで激突する衝撃が、手楯を伝わりA級0061(ジークフリード)機を震わせた。


「大丈夫ですか?」


 御堂はパイロットスーツを着ていないのだ。しかも、ゼナ・クリスタルとの接続のために上半身は裸である。内臓がひっくり返るような衝撃とシートに身体を固定する安全ベルトとの摩擦熱に、思わず悲鳴を上げていた。

 パイロットスーツには、ゲル状の衝撃吸収材が封入されていて、コクピットでの衝撃を吸収しパイロットの肉体を保護してくれる。半裸状態で機体に搭乗することで、パイロットスーツの有り難みを実感していた。


「帝国のパイロットスーツって高性能だったのね」


「喋らないで下さい。舌を噛みますから」


 青柳に言われて、御堂は反射的に口を結ぶ。


「座っているシートの左下に緊急用のマウスピースがあるはずです。それを口に入れて噛んでいて下さい」


「それじゃあ、喋れないわ」


「わたしの指示が聞こえていれば十分です」


 SVの指示に絶対服従を約束しているのだから、確かにその通りではある。舌を噛んで一大事になるよりはマシと思いつつ、それだけでは「寂しい」気分だった。

 マウスピースを口に入れてから、Sユニットとの通信用マイクをトントンと二回叩く.……OKのサインである。


「正面、来ますよ」


 メインモニターには、ロングソードを手にするB級ペルセウスが眼前に映っていた。B級ペルセウスの右手が、ロングソードを頭上に振り上げる。

(できるだけ、近づいてやる!)

 振り下ろされるロングソードを、手楯を微かに退きながら受け止めて間合いの内側に入り込んだ。これで次の斬撃に力を入れ難くなったはず。

 後方から2機のB級ペルセウスが迫っているはずだ。1機だけ先行したB級ペルセウスと接近していれば、さき程のような体当たり攻撃を受けないで済む。

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