第298話 重圧感
格納庫前で行われている戦闘は、一気に様相を変えていた。
第4戦団のB級ジークフリードと距離を取りながら、ライフル型ビーム砲を連射していたB級ペルセウスは武装をロングソードに持ち替える。B級ジークフリードとB級ペルセウスは、剣を交える格闘戦へ突入していた。
ターミナルビル方面から格納庫に移動する3機のB級ペルセウスも、ビーム砲からロングソードに武装を持ち替えて、青柳と御堂の搭乗するA級0061機に迫っている。
……ゴクッ
思わず喉が鳴るほど、御堂は緊張していた。恐怖……ではない。
ラインゴルドと第4戦団の勝利はほぼ動かない。今の御堂の役目は、犠牲をできる限る小さく留めることである。
……格納庫へ避難した非戦闘員の命
……このA級0061機の機体
(違う!)
御堂は頭を振った。
(A級0061機に預けた、あたしと青柳少尉の命だ)
絶対にミスは許されない。御堂は、本当の意味で任務に対して重圧感を感じていた。
A級0061機の機械眼球が、B級ジークフリードと戦うB級ペルセウスから焦点を外して左方向へ動いた。ターミナルビル方面から移動してくる3機のB級ペルセウに焦点を合わせる。
Cユニットのメインモニターで、迫ってくる3機のB級ペルセウを正面に捉える。
「あのロングソードで、一方的にボコられるのは辛いな」
ペルセウス型重甲機兵に比べて、ジークフリード型重甲機兵は重量が軽い分だけ装甲も弱い。本来なら機動性を活かして斬撃を受けないように戦うのが基本である。
「第4戦団のパイロットは優秀です。長い時間ではありません」
「了解です」
A級0061機は、手楯を前面に出してB級ペルセウスを待ち受ける。
そのA級0061機の動きを怪訝に思ったのは、カイザー機のSVであるベルーナである。
「え……どうして?」
格納庫周辺の戦闘は、ビーム砲による遠距離攻撃から剣による格闘戦に移行している。もうビームを遮蔽する巨大な手楯は必要ないはずだった。迫り来る剣装備のB級ペルセウスに対処するためにも、剣を持つべきである。
「あ!」
ベルーナは、後追いで出撃してきたA級0061機が、当初の第4戦団の戦力に入っていなかったのを思い出した。
第4戦団のA級0061機は、おそらく不完全な状態であること。そして、それを南部方面軍が見抜いて戦い方を変えてきたこと。
それらをCユニットのカイザーに伝えた。
「すみません、わたしの注意不足でした」
「大丈夫だ」
Cユニットのサブモニターには、移動を始めた11番機が映っていた。




