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赤塵のサンダーバード -機兵戦記-  作者: 星羽昴
第九章

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第270話 初見

 戦艦『ライバーン』の空中移送機エアブースター搭乗兵から受け取ったトランクを、ラインゴルド兵が中身を確認する。ラインゴルド兵は、カイザーの方を振り返って「OK」のサインを示した。

 カイザー機のSユニットにいるベルーナとカイザーの間で少しやり取りを行った後に、カイザー機のバックパックから信号弾が撃ち上げられた。



 トランクを受け取ったラインゴルド兵と共に、空中移送機エアブースターの搭乗兵がカイザーと東城准将の立つ場所に歩いてくる。


「ふむ。金塊の確認はできたようだな」


「はい」


 東城准将と柳沢大佐の後方には、捕囚されている戦艦『グリフォン』の一般兵90人もいた。カイザーと東城准将の会話を漏れ聞いた90人からは、安堵のどよめきが上がる。

 東城准将は、北に見える第4戦団の旗艦『胡蝶』を見つめる。

 カイザー機の撃ち上げた信号弾に応じたのだろう。中央デッキ下部の昇降口から数人が降りて、こちらへ歩いてくるのが見えた。

 その間に、柳沢大佐が空中移送機エアブースター搭乗兵と、解放された一般兵90人の「引き取り方をどうるか」の打ち合わせを進める。


「解放される90人は、あの空中移送機エアブースターで『ワイバーン』に移送されます。90人を一度には運べませんので、30人ずつ3回に分けることになります」


 柳沢大佐が、打ち合わせ内容をまとめて東城准将に報告する。


空中移送機エアブースターには、S33中継基地と『ワイバーン』の間を何度も往復して貰うことになるな」


「はい。最初の30人は、このまま空中移送機エアブースターに収容して『ワイバーン』に帰艦します。わたしと東城准将は3回目の、最後の移送の時に同乗して『ワイバーン』に向かいます」


「うむ」


 柳沢大佐の報告を受けた東城准将は、カイザーに向き直る。


「それで、よろしいか?」


「はい。構いません」


 カイザーの了解を確認して、柳沢大佐は最初に空中移送機エアブースターに乗り込むことになる30名を選ぶ作業に入った。

 東城准将は、再び視線を北に向けて『胡蝶』から降りた人影に注目した。



 ある程度近づいて来ると、人影が4人であるのがわかる。4人とも第4戦団の青を基調とした軍服に身を包んでいた。

 仮面をつけた女性士官を先頭にして、男性士官が続く。その後ろにいる2名は銃を持ったいた。発着路の敷地に入る手前で、銃を持つ2名の兵士は止まって、先を歩いていた2人だけが歩いてくる。


「有馬将軍と日嗣皇子か」


 既に月夜見は将軍から降格しているが、東城准将は「将軍」と呼んだ。それよりも、月夜見の後ろにいる男性士官の顔に、東城准将は驚きを隠せなかった。


「なるほど。太后おおきさき様とそっくりだ」

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