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赤塵のサンダーバード -機兵戦記-  作者: 星羽昴
第八章

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221/231

第221話 戦死者

 御堂の頭は混乱していた。何が起こったのか、どうなっているのか……全く理解できていなかった。

 GV3X(サンダーバード)の戦闘モードが強制解除されたのは憶えている。そして気付いたら、自分の身体はCユニットのシートごと空中に放り出されていたのである。パラシュートで降下しながら、周囲にネロの姿を探す。


「ネロさん! どこですか!」


 声を張り上げても返事はなく、ネロの姿も見つけられない。

 眼下に視線を向けると、頭部を砕かれたジークフリード型重甲機兵が膝をついている。その近くでは、自分が対峙していたはずのA級ペルセウスが、2番機と向かい合っていた。



 打刀を握る右腕を下げたまま、2番機はゆっくりと歩き出す。装甲の隙間から光粒子が流れ出して、2番機の歩く軌跡に光の帯を引く。

 ジークフリード型重甲機兵に搭載された光廃熱機構は、機体に発生する熱を光に変換して放出する。素体構造の熱膨張による物理的抵抗と電導効率低下が大きく抑制されため、稼動時間が長引いても機体の運動性能は低下しない。



 2番機が、巨斧の間合いに脚を踏み入れた。

 ガガリウス機の脚部と腰部の推進装置スラスターが発光、同時に左脚が大きく踏み出された。最大出力で巨斧を横一閃に旋回させる。

 刹那、2番機の機体が光粒子に飲み込まれたように見えた。全身のアクチュエーターがフル稼働し、2番機も推進装置スラスターを全開にする。

 ガガリウスの目の前で、光粒子が滝のように縦に流れる。しかし、その滝は上に向かって流れていた。腰の辺りを目がけて真横から振るわれた巨斧を、2番機は飛翔して飛び越える。


「ちぃ!」


 ガガリウスは奥歯を噛みしめた。そして諦観する。

 空振りした巨斧の慣性に傾くガガリウス機。2番機は、そのガガリウス機の頭上を飛び越え、右後方へ着地する。

 着地と同時。蹌踉めいて背中を見せたガガリウス機の背後から、コクピット目掛けて打刀を突き刺した。

 コクピットの破壊を察知したガガリウス機のZCF(ズィーフ)機関が強制停止する。

 ……赤塵の舞う荒野に乾いた冷却音が響いていた。



 ガガリウス機の撃破を確認したトーチス傭兵団のB級機体も戦いを止めた。機体を降りたパイロットは、西門防衛施設を占領した部隊に引き渡される。

 パラシュートで地上に降下した御堂は、2機のB級ジークリードに守られて『朱雀』の到着を待つことになった。


「ネロさんは?」


 その問いに答える者はいない。ようやく落ち着いて来た御堂は、降下しながら目撃した撃破されたジークフリードが、愛機のGV3X(サンダーバード)だったことを知る。

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