第219話 GV3X大破
Cユニットで、メインスクリーンの輝度が下がった。フィルターがかかったように画面が薄暗くなり、次にガクンと言う衝撃が伝わる。
「!」
御堂は最初に、ネロがCユニットを切り離したのかと思った。しかし、そうではない。バッテリーが切れて、戦闘モードが強制解除されたのだ。
「え……警告、出なかったよね?」
誰に言うでもない、疑問に思う気持ちが声に出てしまう。
B級機体のZCF機関は、A級機体の3分の1のエネルギーしか供給できない。戦闘モードに移行すると、バッテリーから供給する電力で補いA級と等しい出力を実現する。
戦闘モードが解除されたB級機体は、ZCF機関だけのエネルギーしか供給されず、3分の1の戦闘力しかない。
バッテリーが切れて、戦闘モードを強制解除されたGV3Xは、A級ペルセウス機に押し切られてしまう。
手にしていた打刀は弾き飛ばされて、推進装置で自重を相殺できずに赤い荒野に脚をくい込ませる。
「まずいぞ。葉月、突っ込め!」
外音響をチェックしていた有本大尉は、GV3Xの駆動音が低く重い音に変わるのに気付く。最早、隙やタイミングを計っている状況ではなかった。
A級ペルセウス機は、巨大な戦斧を頭上に持ち上げた。GV3Xの頭部目がけて、それが振り下ろされる。片膝を着くGV3X。
振り下ろされる戦斧に、2番機が打刀を伸ばす。
2番機の打刀は、戦斧の斧部に刃の中程から砕かれてしまう。しかし、それが僅かに戦斧の軌道を逸らした。頭部を狙った斧部は、右肩に突き刺さる。
肩部装甲は、ジークフリート型重甲機兵の最も分厚い装甲であり、辛うじて戦斧をせき止めた。
……ギリッ
ガガリウスは、B級機体を仕損じたことに歯がみをする。スネーク機を屠ったB級機体にトドメを刺すべく、戦斧をもう一度振り上げた。
GV3Xの胸部装甲が展開して、コクピット部分が露出する。そしてCユニットのシート部がパイロットごと上空に射出された。
数瞬遅れて振り下ろされた戦斧は、GV3Xの頭部を粉砕して、胸部から鳩尾部分までを抉った。
……カン……カン
主骨格とコクピットを破壊されたGV3XのZCF機関が、乾いた冷却音を不規則に響かせながら強制停止した。
ガガリウスは、機体の機械眼球を2番機に向けた。モニター中央には2番機が映る。左腕を失い、折れた打刀を握る2番機は、自らの人生の幕を下ろす相手としては相応しくない。
A級ペルセウス機の右手が、地上に落ちているGV3Xの打刀を指さした。
2番機は、折れた剣を置きGV3Xの打刀を拾う。




