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赤塵のサンダーバード -機兵戦記-  作者: 星羽昴
第八章

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219/233

第219話 GV3X大破

 Cユニットで、メインスクリーンの輝度が下がった。フィルターがかかったように画面が薄暗くなり、次にガクンと言う衝撃が伝わる。


「!」


 御堂は最初に、ネロがCユニットを切り離したのかと思った。しかし、そうではない。バッテリーが切れて、戦闘モードが強制解除されたのだ。


「え……警告、出なかったよね?」


 誰に言うでもない、疑問に思う気持ちが声に出てしまう。



 B級機体のZCF(ズィーフ)機関は、A級機体の3分の1のエネルギーしか供給できない。戦闘モードに移行すると、バッテリーから供給する電力で補いA級と等しい出力を実現する。

 戦闘モードが解除されたB級機体は、ZCF(ズィーフ)機関だけのエネルギーしか供給されず、3分の1の戦闘力しかない。



 バッテリーが切れて、戦闘モードを強制解除されたGV3X(サンダーバード)は、A級ペルセウス(ガガリウス)機に押し切られてしまう。

 手にしていた打刀は弾き飛ばされて、推進装置スラスターで自重を相殺できずに赤い荒野に脚をくい込ませる。


「まずいぞ。葉月、突っ込め!」


 外音響をチェックしていた有本大尉は、GV3X(サンダーバード)の駆動音が低く重い音に変わるのに気付く。最早、隙やタイミングを計っている状況ではなかった。



 A級ペルセウス(ガガリウス)機は、巨大な戦斧を頭上に持ち上げた。GV3X(サンダーバード)の頭部目がけて、それが振り下ろされる。片膝を着くGV3X(サンダーバード)

 振り下ろされる戦斧に、2番機が打刀を伸ばす。

 2番機の打刀は、戦斧の斧部に刃の中程から砕かれてしまう。しかし、それが僅かに戦斧の軌道を逸らした。頭部を狙った斧部は、右肩に突き刺さる。

 肩部装甲は、ジークフリート型重甲機兵の最も分厚い装甲であり、辛うじて戦斧をせき止めた。

 ……ギリッ

 ガガリウスは、B級機体を仕損じたことに歯がみをする。スネーク機を屠ったB級機体にトドメを刺すべく、戦斧をもう一度振り上げた。

 GV3X(サンダーバード)の胸部装甲が展開して、コクピット部分が露出する。そしてCユニットのシート部がパイロットごと上空に射出された。

 数瞬遅れて振り下ろされた戦斧は、GV3X(サンダーバード)の頭部を粉砕して、胸部から鳩尾みぞおち部分までをえぐった。

 ……カン……カン

 主骨格メインフレームとコクピットを破壊されたGV3X(サンダーバード)ZCF(ズィーフ)機関が、乾いた冷却音を不規則に響かせながら強制停止した。



 ガガリウスは、機体の機械眼球を2番機に向けた。モニター中央には2番機が映る。左腕を失い、折れた打刀を握る2番機は、自らの人生の幕を下ろす相手としては相応しくない。

 A級ペルセウス(ガガリウス)機の右手が、地上に落ちているGV3X(サンダーバード)の打刀を指さした。

 2番機は、折れた剣を置きGV3X(サンダーバード)の打刀を拾う。

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