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赤塵のサンダーバード -機兵戦記-  作者: 星羽昴
第八章

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199/244

第199話 2番機の奇襲

「上空! 何か(・・)が降下してきます!」


 更に予想外の事態が発生する。思わずネロが大声を出してしまった。


「ええ?!」


 GV3X(サンダーバード)の頭部が上を向く。機械眼球が空を見上げた。

 機械眼球の捉えた映像が、画像解析されて1つの機影を確認した。空中移送機エアブースターではない、重甲機兵の機影である。

(まさか、成層圏から飛び降りたの?)

 上空から降下してくる存在に、第3戦団のジークフリードも気付く。上空の機影に向かって粒子ビーム砲を乱射し始めた。

(ってことは……味方機?)

 撃つ先が空であれば、どれだけ乱射してくれてもOKである。この手があったか、と御堂は感心した。後の疑問は「誰か?」である。


「2番機です!」


 管制AIが、ZCF(ズィーフ)機構の固有音を照合した結果がSユニットに表示された。第2戦団の2番機で間違いない。


空中移送機エアブースターで成層圏まで上昇して、そこから飛び降りたってことですか?」


「それしかないでしょう。確かに成層圏まで上がれば、音でも空気の流れでもさとられないし、粒子ビームでの狙撃もできないですね」


 重甲機兵は光学兵器に耐性があるが、空中移送機エアブースターは違う。粒子ビームに狙撃されない距離を取る必要があった。



 A級機体のパイロットでも、成層圏から飛び降りて無事に地表へ着地するよう主推進機関(バーニア)をコントロールするのは難しい。


「粒子ビーム砲なら恐くはない。このままB級の近くに着地するぞ」


「はい」


 第3戦団のB級ジークフリードは、降下してくる2番機に粒子ビーム砲を連射していた。主推進機関(バーニア)が如何に強力でも、自由落下している100トンの機体を臨機応変には動かせない。地上からのビーム束は、かなりの数が2番機に命中している。

 しかし、ZCF(ズィーフ)機構の発生させる電磁波が光学兵器のエネルギーを大きく減衰させてしまうため、致命のダメージにはなっていない。



 西門は前には大広場があって、第3戦団のジークフリードはその大広場を占拠するように立っている。2番機は、大広場に繋がる全幅20メートルの大道路へ着地した。厳戒態勢下で交通が制限されているため大道路を通る車両はない。

 大道路に光粒子が降り注ぎ、その光の海から2番機が立ち上がった。


「ちぃ、敵機とかなり離れた。やれるか?」


「やります」


 敵機との距離は120メートル。

 腰部と脚部の推進機関スラスターが発光した。重甲機兵の自重を相殺するための揚力が発生する。

 2番機が、腰の打刀を抜いて右手に握った。西門に立つ2機のB級ジークフリードに向かって、ゆっくりと歩き始めた。

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