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エルミルの帰還

エルミルを回収~。

「陽動隊、急いで上がれ!地下から演習場にいけ!」


「ガルルルル………」


「間に合わない!弓兵、矢を射て注意をそらせ!」


「宮廷魔導師!上級水魔法で援護射撃!」


地下迷宮の入り口から演習場に誘導した兵士達は疲弊しながらも目的地についた。

そこには、赤に銀の混じった髪を持ち、頑張って威厳タップリな風を装うが、威厳がひっくり返したように、こぼれて空っぽになっている新魔王カルワーとメイド長のエスミル、キモサク宰相がいた。


「地下迷宮に入って一週間……姉として、ほったらかしはどうかと思うが?エスミル」


「キモサク宰相。まだまだ、エルミルには強くなってもらわなくてはならないですから」


「あの~、これ以上強くなられても、とばっちりはこっちに来るので止めといてほしいんですけど……」


「カルワー様も、自分を真っ二つにして、燃やし尽くすくらい強くなって欲しいそうです」


「(」゜□゜)」エスミルさん!?言ってないよね?そんな事!」


そこに駆け込んできた兵士が、


「もうすぐ、ここに現れます。狂戦士化しているらしく、説得は効きません」


「よし、さがれ。兵士達も怪我人はすぐに治療をして、休ませろ」


「はっ!」


「和田アキ子風に」


「あの頃は~、ハッ!!」


「(¬×¬)兵士に何仕込んでんの!キモサクさん?」


「いや、仕込んでないんじゃが、……ノリがいいなあの兵士。宴会部隊にいれるか?」


「そんな事は後で。来ましたよ♪」


楽しそうなエスミルの声に合わせて、全身から炎を立ち上らせるエルミルが、現れた。


「銀紙に包んだ芋持ってくるんだった」


「ついでに言いますと、あの炎に触れた瞬間、芋は灰になります」


「焼き芋は食えないのか」


「今日のおやつはそれにしますから我慢してください」


エルミルは演習場の中央に立つと、うなり声をあげながら、たたずんでいる。

まったく動く気配がない。


「完全に自我を閉ざして、防衛本能のみになってますね~♪」


「カルワー様、挨拶がてら肩を叩いてきてください」


「キモサクさん?そう言うあなたが逝きなさいよ~」


「字が違うし!触れた瞬間に首チョンパでしょうからいきません!」


「それにオレをいかせようって何考えてんの?」


「(¬з¬)どうせ死なんでしょう?」


「(;`皿´)死ぬわ!」


「出来れば、一瞬、スキを作ってもらえれば、何とか出来ますけど……」


「だから、キモサクさんが逝って……」


「いやいや、ここはカルワー様が……」


「それなら、私が」


「「どうぞ、どうぞ。って、誰?」」


「カルワー様もキモサク宰相も何言ってんですか?大魔術師のヌーデンブルですよ」


「あの!」


「だだの!」


「「でぶ!?」」


「(;`皿´)なんでハモるかな~!2人は!」


「だって、魔法書(えろ~いの!)を読んで毎日塔にこもってるのしか見たことないんですけど!」


「(;`皿´)たまに、デカ盛り店に出て、ブログあげてるわ!」


「(;`皿´)魔術師として仕事しろよ!給料減らすぞ!」


「だから、仕事しにきたの!」


「(・_・)エッ..?」


「(」゜□゜)」マジで!?」


「エルミルちゃんの暴走を止めにきたの!」


「ならさっさとして下さい!」


エスミルがヌーデンブルの背中をヤクザキックで蹴り出すと、ゴロゴロとエルミルに向かって転がりだした。


「(°□°;)まさか、このまま?」


「ストライクか!」


そのまま、ボーリングのボールのように転がって、突っ込んだ!


――ジュッ!


「(°□°;)溶けて消えちゃった!」


「何、あの炎?温度どんだけあんの?」


「炎竜騎士の剣と鎧には極限炎度まで、自分の魔力を変える力があります。今のままですと、エルミルは魔力を失いすぎて、目を回します」


「なら、それまで放置しとく?」


「その後、ルフィ並みに食いますから、カルワー様のゲームやらを売り払って食材を買ってきましょう」


「すぐ、エルミルを止めよう!(キリッ!)」


「なんという変わり身の早さ……」


キモサクはあきれ果てた。


「それで?エスミル何か策はあるの?」


「これです」


エスミルはカルワーの首根っこを掴むとエルミルに向かって放り投げた。


「(°□°;)アンタなんばしよっとね!」


「なんの!」


放り投げられたらカルワーは猫のように体をひねり着地を決める(ドヤ顔)……瞬間にエルミルの剣が一閃しカルワーを真っ二つにした。


「(°□°;)カルワー様!」


エルミルが剣を振り切った瞬間、その背後に現れたエスミルは手に持ったハリセンを頭に叩きつけた。


「あれは、宝物庫の奥に眠っていた伝説の『朱雀薄墨彫りハリセン(アサナ印)』」


「ヌーデンブル?なんで生きてんの?」


「失礼ですねキモサク宰相。あれは、直前に入れ替わった影分身です」


「(」゜□゜)」お前は魔術師だったよな!?」


そんなツッコミをよそに、エスミルのハリセンを頭に受けたエルミルは体から出ていた炎をけして、今気がついたように辺りを見回した。


「目を覚ました?エルミル」


「お姉ちゃん?」


「目を覚ました?」


「カルワー様?大丈夫ですか!」


「直前で影分身と入れ替わったから大丈夫!」


「……影分身、流行ってんの?」


「私はこれで、デカ盛り店を10件一度に食いに行ってブログにあげてんですよ」


ヌーデンブルの足元の影が立ち上がり、同じ顔した者が立っていた。


「悪霊退散!」


横なぎに払った剣にヌーデンブルは2人とも上半身と下半身が離ればなれになった。


「(」゜□゜)」何してくれちゃってんのこの子!」


「この間、風呂覗いてたのに似てたのでつい」


怒っているキモサク宰相と頭を下げるエルミルは気がつかなかったが、それを見ていたエスミルの足元の影から、ヌーデンブルの顔が生えてきてメイド服のスカートを覗こうとした所を踏みつぶされた。


「不用意に覗こうとするから」


「カルワー様はいつから影分身を出来るように?」


「こうやって?」


人型→ナメクジ→分裂→ナメクジ→人型。


「「どうよ!(ドヤ顔)」」


「それは分裂!アメーバか!」


「「違うの!?」」」


「(;`皿´)ステレオ、うぜ~」


「カルワー。早く戻らないとゲームにつきあわないぞ」


「(°□°;)エルミル戻るから、この間の続き手伝って!」


「その前におやつにしましょう。キモサク宰相も」


「そうだな。兵士達!ご苦労!負傷者以外は業務に戻れ!」


「「「ハッ!」」」


そして、演習場にはヌーデンブルの生首だけが残された。

生首は次の日には消えていたそうです。

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