表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
大っ嫌いな婚約者を聖女に押し付けようとしたら、あまりに良い子すぎるので廃嫡路線に切り替えました  作者: 海月あお
第一章 孤児院巡回編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

5/31

4.インスタントラーメンは「神」だった

さて、次はどの順番で回るか、だ。


屋敷に戻ってお茶会での出来事を両親に報告する。執事のアランを連れて自室に戻ると、テーブルに丁寧に地図を広げ、それぞれの孤児院の位置や規模、把握している限りの情報を説明してくれた。アランは公爵家に長年仕える切れ者で、コーデリアの無茶な要望にも眉ひとつ動かさず応えてくれる、頼もしい男だ。


コーデリアはしばらく腕を組んで地図を眺めていたが、やがてぱん、と両手を叩いた。


「いいわ、面倒だから時計回りにしましょう」


「御意」


アランの表情は微動だにしなかったが、その目が一瞬だけ泳いだのを、コーデリアは見逃さなかった。


王太子妃教育の合間を縫って、順に孤児院を回る計画を立てた。


訪問の準備として、やはり手作りのお菓子が無難だろう。普段から絶品料理を提供してくれる公爵家の料理長に、クッキーの作り方を教わることにした。


「子供達へのお土産ですの。一緒に作りながら教えてくださいまし」


料理長は目を丸くしたが、快く引き受けてくれた。傍らでは専属侍女のリンが、慣れた手つきで材料を並べながら、静かに様子を見守っている。


前世では料理は壊滅的だったが、コーデリアの体は優秀らしい。お店に出してもおかしくないほどの質で、お菓子があっという間に出来上がった。


(良かったわ。さすがに、黒焦げの炭を子供達にあげる訳にはいかないもの)


前世での一番の得意料理は、インスタントラーメンだった。鍋にお湯を沸かして麺を投入するだけで完成する、実に画期的な一品である。


こんな素晴らしい食べ物をよくぞ先人達は開発したものだと、過労死する寸前の帰宅後に調理しながら、毎日涙したものだ。


それを思えば、今こうして本物のクッキーが焼けたのは、ひとえに料理長のおかげである。


コーデリアがにっこりと笑顔を向けると、料理長は不思議そうな顔をしながらも、とても嬉しそうに笑顔を返してくれた。


優秀な血統というのは素晴らしい。心の中で、密かに両親とその先祖たちに、そしてもちろん料理長にも感謝したコーデリアであった。



スーパーカップ1.5倍とんこつラーメンが好きです。私が。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ