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勇者?魔王?いいえ村人です。  作者: 蒼伊悠
二章
18/27

3:再会

今まで誤字報告が来ましたってホーム画面見ててよく意味わかってなかったんですけど、あれって誤字したところを読者の方が教えてくれてたんですね。機械が自動的に誤字を発見してると思ってました。


報告してくれた方、ありがとうございます!!

出来るだけ誤字しないのが一番なんですけど、してしまい申し訳ないです。


 異世界で初めての依頼は失敗した。

 そう思ってた俺だったが依頼は何とか完遂することができた。


 今回の依頼内容はオーク討伐。

 消滅させてしまったオーク以外を探せば良かっただけの話だった。


 『ご主人様も意外とドジですよね』

 俺に他のオークを狩ればよいと指摘した雷華が呆れ気味に呟いている。

 モンスターを跡形もなく消滅させてしまった事と、それで依頼失敗と勘違いしてた俺は反論することなど出来るわけもなかった。


 「燐火、雷華がいじめてくるんだが」

 『あはは、ねーー。だめだよ、ライカ!』

 『な! ご主人様! 私は別にいじめてなど。悲しんだならごめんなさい』


 雷華は慌てて右往左往しながら謝ってくる。

 いつもは冷静な雷華が慌てるのは少し可愛い。


 「ごめん、嘘だよ。雷華のお掛けで依頼達成出来たんだから」

 『もう、からかうなんてひどいですよ!』


 「本当にお主らは仲がよいのぉ」

 ファフニールは精霊を視る事が出来る。視る事が出来るから俺達のやり取りも聞こえている。


 

 「二人にはお世話になってるからな」

 『あははーー、おせわするーーー』

 『こちらこそご主人様には感しゃしてますよ』

 二人は俺の肩にそれぞれ乗る。

 この二人が味方してくれなければどうなっていたか、心から感謝している。


 

 「のぉ、カイト。お主はこれからどうするんじゃ」

 街へと間もなくという所でファフニールが聞いてくる。

 これからか、俺の目的は魔の者であるらしいクラスメイトの手懸かりを得ること。


 クラスメイトの中には友達もいるし、同郷の者として止めなければという使命感のようなものもある。


 だから、何時までもこの街に留まる事は出来ない。



 「そうだな……少しのんびりしようぜ」

 「急がなくてよいのか?」

 「いいんだよ。目的は定まっているんだ。ならゆっくりとそこに向かえばいい。それに、俺はファフとの旅を楽しみたいんだぜ?」

 「む、むぅ。そうじゃのぉ。流石カイトじゃ!! わかっておるのぉ!」

 ある程度の付き合いでこういえばファフニールが喜ぶのは分かる。すっかり上機嫌になっている。

 

 だが、今言ったのは嘘ではない。

 クラスメイトと出会わなければとは思っている。とはいえ、折角の異世界なんだ、楽しまなければ損だし、何より俺はファフニールと一緒に楽しみたいんだ。その為なら少しの回り道位は許してほしい。


 『むぅー! りんかもりんかもーーーー』

 『ご主人様。私たちとはいっしょに居たくないということでよろしいんでしょうか?』

 (なに、言ってるんだよ。そんなわけないだろ)


 すっかり心を読まれてしまっていた。

 ファフニールと拗ねてしまった精霊二人、俺はこの仲間達と楽しい事をしたいんだよ。







 「リリアさん。依頼達成しましたよ」

 「あら、カイトさん。随分と早いですね」

 ギルドに戻った俺達は受付で依頼完了の報告をする。

 差し出すのはギルドカードと、討伐部位の牙とモンスターの核である魔石だ。


 「初依頼だから気合い入れちゃいましたよ」

 「それにしても早いですけどね……はい、オークの魔石と牙五つ、確かにありますね。この魔石と牙はどうしますか?」

 「持っていてもしょうがないんで、売りでお願いします」


 オークの魔石と牙は価値が低いらしいが多少なりとも金になるなら売っておく。

 


 「はい、では。依頼達成とモンスターの売却料も含めて、銀貨五枚ですね」

 「ありがとうございます」

 オーク五匹の討伐で銀貨五枚。

 普通に考えると割りに合わないよな。


 「あ、そういえばリリアさん。森にオークの集落でもあったのか30匹位の集団でいましたよ」

 消し去ってしまったオーク達について報告するのをすっかり忘れていた。


 「また、オークの集落ですか。それは災難でしたね。しかし、無事に逃げてこれたようでよかったです」

 「え? 逃げてないですよ」

 どうやら、誤解させてしまったようだ。

 

 「集落ともなれば討伐隊を向かわせないと、それに規模も把握しなければ____今なんて仰いました?」

 「集落の全部を落としたかは分かりませんが30匹については討伐しておきましたよ」

 「カイトさん達お二人で……ですか?」

 「はい」

 本当は俺一人であるがわざわざ訂正する必要もない。

 


 「む、なに言うておる、やったのは____むぐぐぅ!?」

 真実を口走ろうとしたファフニールの前に立ってリリアさんからは見えないようにしてから後ろに手を回してファフニールの口を塞ぐ。

 二人で討伐した事にもこんなに驚いているのに一人で跡形もなく消滅させたなんて言えば更なる衝撃を与えるだけだ。  


 「驚きましたよ。オーク30匹を二人で倒したのが本当ならば直ぐにでもDランクに昇格ですよ」

 「あーー、それは残念ですね。魔石は抜いてきてないんで昇格はまた後日魔石を持ってくることでしますよ」

 「そうですね。カイトさん達を疑うわけではないですけど、証明がされないと昇格は厳しいですからね。ただ、カイトさん。一応報告書をお願いできますか。オークの集落が本当に出来てるなら大変ですので」

 面倒くさいのはあるが、書かないと他に困る人が出てくるだけでなく危険に晒される人も出てくるかもしれない。

 書いておくとしよう。


  

 「ぬぅ、我も書かないといけないのか?」

 「俺が書いておくからこれで飲み物でも買ってくればいい」

 ギルドには飲食出来るテーブル等が置いてある事から分かる通り、ギルド内で定食屋紛いの事をしているため、飲食をギルド内で購入することができる。銀貨一枚あれば飲み物位は買えるはずだ。


 「じゃあ、行ってくるの」

 トテトテとファフニールは定食屋の受付カウンターに歩いていく。しっかり買えるか幼い子供のお使いを心配する親の気持ちがわかったが、ファフニールも良い年齢だ、信じる事にする。



 「リリアさん。オークとかの集落ってやっぱりいっぱいあるのものなんですか」

 「ううん。町民の安全の為に定期的にモンスターは狩っているんだけどね、最近色々と変なのよ」

 「変とは?」

 「オークの集落なんだけどね。ここ半年の間に数件報告書されてるの。オークは繁殖が早いモンスターだけどそれでも明らかに異常なほどの速度で増えていってるのよ」

 「そうなんですか」


 そういえば報告した時、またオークの集落かと口にしていたな。驚きの一因はオークの集落が現れた事事態だったのかもしれない。


 「それに、半年前にはドラゴンが現れたり、モンスターの大群が襲ってきたのよ。その時は来訪者の皆様が阻止してくれましたからよかったものの下手したらこの街は壊滅してました。それに、最近は行方不明者が出たりと色々と物騒なんですよ」


 「教えてくれてありがとうございます。報告書書いてきますね」

 受付から離れて空いているテーブルに座る。


 頭の中にはリリアさんが話していた内容が過る。

 ファフニールを指しているドラゴンを除いている。

 半年程前に現れた来訪者。

 半年程前から異変を感じる始めたというリリアさん。

 ここに繋がりがあるような気がしてならない。


 それに、英雄となっているクラスメイト達。

 俺がクラスメイト達と別れてから半年、正確には7ヶ月前後であると予測出来るがそれでもクラスメイトがモンスターの大群を追い払う迄にはたいした時間はないはずだ。


 それなのに、モンスターの襲撃を阻止したというクラスメイト達は僅かな時間で何れだけ強くなっているのか。


 強くなっているのだとしたらクラスメイト達に何があったのかいくら考えても答えは出ない。


 「カイト、飲み物買ってきたのじゃ」

 「ありがとう」

 「思い悩んでいたようじゃが、何かあったのかの?」

 隣に座ったファフニールが俺の顔を覗きこんでいる。

 そんなに顔に出てしまっていたのか心配させてしまった。


 「半年位前からこの街に異変が起きたようでな。それがクラスメイトと関連あるんじゃないかと思ってな」

 「ほう、何故そう思うのじゃ」

 

 ファフニールにリリアさんから聞いた事を変に改変することなくそのまま伝える。



 「ふむ、なるほどの、状況から見て無関係と断ずることはできんのぉ。十中八九関連があると見るべきじゃ」

 「だよな。ただ問題は」

 「どうやって関連しているか分からないって事じゃの」


 そう、今回聞いた話を分けると、モンスターの大群が街を襲うこと。モンスターの異常な繁殖、謎の行方不明者の続出の三つだ。この三つにクラスメイトがどの様な形で繋がるのか全然分からない。


 「ファフ、この後もう一度森に行ってみるか」

 今は少しでも手懸かりがほしい。

 

 「うむ、そうじゃの」

 そうと決まれば急いで報告書を完成させる必要がある。

 森での出来事を跡形もなく消滅させたという所や一人で戦ったという所を変えながら書ききる。



 「よし、終わった。ファフ、提出したら直ぐ依頼にいくぞ」

 「わかったのじゃ」

 報告書を提出するため受付に向かう。

 運が悪い事に受付は全て応対中だった。


 リリアさんの所には銀の鎧を身につけた冒険者がいた。

 少し様子がおかしい。


 リリアさんが声を潜めてはいるものの声に怒気を含ませて話していた。


 「何度言ったらわかるんですか、迷宮は危険だと言ったじゃないですか。それに怪我だって治ってないでしょ、お気持ちは分かりますが今は休んでください」

 「しかし、私は急がなければいけないんです。このままだと手遅れになってしまう!!」 

 「だからといって、無鉄砲に迷宮に籠るのはやめてください。貴方についていって被害を受けたという苦情も来てるんですよ」

 「なら、私一人でも潜ります」

 「いくら貴女がAランクとはいえ迷宮を一人で潜るのは無謀すぎます。だからこそ貴女もチームを組んで潜っていたのでしょう!!」


 二人の口論は激しいものになっていき、他の者達も二人のやり取りに注目しだす。


 しかし、意外だ。

 受付嬢のリリアさんが冒険者と口論するのもそうだし、男だと思っていた冒険者が女性だというのも意外だった。


 冒険者の声は凜と透き通るような力強い声でどう聞いても男性のものではない。



 「だが、私には時間がないんだ!! このままだとミリア殿が手遅れになってしまうかもしれないのです!!!!」

 「それでも、一人で行かせるなんて事は到底出来ません。今はお休みください! ソフィアさん!!」



 聞こえてきた名前に大きく心臓が跳ねる。


 見覚えのある銀の鎧に聞き覚えのある名前。

 そうだ、何で気づかなかった。凜として力強い声なんてあの人そのままのイメージだったというのに。



 「ソフィア……さん?」

 思わず声に出てしまった。

 向こうも気づいんたんだろう。

 俺の声に振り向く。


 バイザーを上げて顔を見せていた彼女の顔はまさしく知っているもので、彼女もまた、俺の顔を見て驚愕に目を見開いていた。


 「か、カイト……殿?」


 目の前にいたのは異世界に来てから初めて会った住民にして、エルフのソフィアさんだった。

 



ソフィアについては一章に出ています。

銀髪エルフのソフィアちゃんです。


感想、評価、ブクマ等どしどしお待ちしております。

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