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ニードルガン

 確かに、俺が放った手動ニードルガンは、ヤツのバトルスーツにかすりもせずそのまま通り過ぎてしまった。

 が、次の瞬間、ヤツの背後にスパークの火花が散り、白いバトルスーツは一瞬でどす黒い鉛色に変わっってしまった。


「うが、、」


 声にならない悲鳴を発したヤツは、そのまま動かなくなり、硬直したまま倒れこんだ。

 倒れたショックで曲がった関節部分から白い煙が漏れ出している。


「ふー、やったか・・結構うまくいったようだな」

 俺は土ぼこりで汚れた顔を拭いながら安堵のため息をついた。


 ヤツのバトルスーツには確かに何も効かない、が、繋がってる電源ケーブルは単なるケーブルで無防備になっていたのだ。

 俺はそのケーブル目掛けてニードルを投げ込んだ。金属製のニードルは、見事ケーブルに突き刺さってショートし、無敵のバトルスーツもぶっ壊れたというわけだ。


 倒れた男に近づいてみると、まだ通電しているのか、スーツのあちこちで火花が飛んでその都度痙攣を起こしている。

「このままじゃ死んでしまうな・・」

 見殺しにするのも寝覚めが悪い。


 仕方なく、俺はヤツの背中に通ながっているケーブルを右手で引き抜いてやった。

 痙攣が治まりぐったりとしたが頭部前面を覆っているフルフェイスヘルメットのため顔が見えない。まだ生きているのかそれとも死んだのか・・


 とりあえず、右手でヘルメットの継ぎ目がある部分をつぶれない程度にぐっと押してみた。

 パカッとカバーがはずれ、ヤツの顔が露出した。色白の優男だ。意外と若い。所々やけどをしている。気絶しているが息はあるようだ。


 ヤツの生存を確認した俺は、ニードルガンの残骸のニードルだけを握り締め、注意深くコンテナの奥に進んだ。銃火器がほしいところだが仕方ない。博士はこの奥にいるはずだ。


 白いドアがひとつある。雰囲気的に金属製ではなく何か軽い樹脂製のようだ。空飛ぶコンテナだから軽量化を図っているのだろう。

 他に出入り口らしいものは何もない。コンテナのサイズから考えて、他にスペースは無い。博士はこのドアの中にいる。


 だが、俺の第六感が何かを訴えかけてきた。

 今まで数多くの危険を潜り抜けてきた警戒心のアラームが頭の中で鳴りだしたのだ。


 その時、ドアの中から女の子の悲鳴が聞こえた。

 咄嗟に、俺はドアノブに右手をかけた、、と同時に乾いた連続音とともに胸部に強烈な衝撃が走り、後ろに吹き飛ばされた。


 息ができない。胸に3箇所ほど燃えるような痛みが広がってる。


 白いドアの方から、狂ったようなけたたましい笑い声が聞こえてきた。

「ひゃ、ひゃ、ひゃ、ひゃ、、やったぜ~~」

 聞き覚えのある声だ。


 痛みに視覚がぼやけながら声のする方を見ると、白いドアの丁度俺の胸の高さ辺りに、横一列に銃跡があった。ドア越しに部屋の中からマシンガンで撃たれたのだ。


 その穴だらけの白いドアがゆっくりと開くと、サブマシンガンを構え興奮で顔を紅潮させた男が立っていた。


Mr.Rだ。




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