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クリス博士vs.Mr.R

 パワードスーツを着ているせいで他の部分の状態はわからないが、顔中がガーゼやら、絆創膏やらでミイラ男のようになっている。

 先般の医務室での戦闘で、新しい脚になった俺にやられた傷は当然まだ治療中のようだ。

 命があっただけでも感謝して欲しいものだが、容赦なくぶっ放してきた。


 胸の痛みがだんだん酷くなり、思わずうめき声を上げ身体をよじるとMr.Rは銃を構え直した。

「なんだ、まだ生きてやがる。とどめをさしてやろう、ケンジ、ははぁー、これでやっとゆっくり寝れるぜぇ」


 Mr.Rが引き金に力を込めた瞬間、人間の声とも獣の咆哮とも聞き取れるような甲高い声が響いた。

「うぎぁぁあぁぁぁぁ~」


 突然、部屋の中の壁の陰からなにか白い影が現れ、Mr.Rの銃を叩き落した。

 Mr.Rの顔が、信じられないようなものを見たように強張り恐怖にゆがんだ。

 俺も自分の目が信じられなかった。


 一匹の猿がパワードスーツを着たMr.Rの頭部にしがみつき襲い掛かっている、、、いや、猿ではない。


 薄汚れた白衣を着た博士だ。


 小さな少女のからだをまるで猿のように折り曲げ、赤毛の髪を振り乱しながらMr.Rの唯一生身の部分が露出している頭に張り付き攻撃している。


 その動きは、人間の、ましてや少女のスピードではない。

 野生動物を彷彿とさせる激しい動きだ。


 Mr.Rは、たまらずパワードスーツの腕を伸ばして博士を掴み取ろうとしたが、博士は人間とは思えない動きでその手を搔い潜りMr.Rの頭部を殴り続けている。


「ぐ、ぐおお」

 苦悶の声を上げたMr.Rは包帯でカバーされた傷口を、また攻め立てられ耐え切れなくなったのか、博士を頭にくっつけたまま床に倒れこんだ。


 博士は地面にぶつかる寸前にひらりとMr.Rから飛びのき、俺の傍らに着地し、俺のほうを向いた。

 その顔は、造作は確かにあの少女の博士のものだが、目つきや表情・雰囲気は人間のものではない。

 なにか得体のしれない野生動物か訓練を積み重ねた特殊部隊員のようだ。


 だが、その表情も一瞬で無くなり、あの知的な美少女の顔に戻ると、俺に駆け寄った。

「大丈夫?」

 そう言いながら俺の胸にある数発の銃痕をひとつひとつ調べ、ふっとため息をついた。


「よかった。肋骨に少しヒビが入っているようだけど、弾は服で止まっているわ。さすがノスリルの戦闘服ね。こんなに薄くてもかなりの防弾機能があるなんて」


 そうか、そうだった、ノスリルから支給された服を着ていたんだった。

 弾は止まったが衝撃はひどかったなぁ、、と思いつつ、やっと博士が戻ってきた、これでミッションも終了だな、と安堵した瞬間、何かが起きた。


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