対決!謎の白い男
早速、コンテナの前に立っている白い服の男に照準を合わせ、引き金を引いた。
「キン!」
と、ほとんど無音に近い音と少ない反動とともに、銀色のニードルが弾跡を銀糸のように輝かせて白い服の男の胸辺りに突き刺さった..と思ったが、刺さる直前に見えない壁に当たったかのように突然止まり、そのまま白服の足元に落下した。
白服の男には全く影響がなく、新型の白いバトルスーツには傷一つついていない。
「なに?なんだ?針が落ちたぞ!」
新兵器のふがいなさに俺は思わず声を上げた。
俺の不満に呼応したようにMr.Bの声が聞こえた。
「パーソナルバリアだ!そんなものまで搭載しているのか。銃弾のような一定以上のスピードで接近する金属を防御するシステムだ。しかし、かなりの電力が必要なはずだが・・そうか、ヤツのどこかにケーブルのようなものは繋がっていないか?」
どうやら、Mr.Bの位置からは白い服の男の全身は見えないようだ。
俺のところからも全て見えるわけではないが、注意して見てみると確かに腰あたりから結構太いケーブルのようなものが延びてコンテナの奥に続いている。
「ああ、背中辺りにケーブルが繋がっている」
「やっぱりそうか、、そうなると、ヤツのあの電磁波の武器は充電時間なしに連続で使えるということだ。無闇に突っ込めない・・」
Mr.Bがそこまで言った時、白服の男は俺の存在に気が付いたらしく、Mr.Jを指していた指先を俺のほうに向け直した。
と、同時に白い服に虹色の模様が流れ俺に向けた指先に集中した。
次の瞬間、表現のしょうがない空気が裂ける音と、空間にゆがみが生じているのが目視できるような衝撃が俺を襲う。
咄嗟に俺の新しい足が反応し、左側に飛びのいた。
これでも戦闘員の端くれ、ある程度の修羅場も潜り抜けてきた若干の自負もある。
間一髪で衝撃波の直撃を避け道路の上で2回転し受身をとった。
その拍子に右手の中で何かを握りつぶした感覚が伝わった。
チラリと右手を見ると、人間越えの握力がカード型ニードルガンを紙のようにクシャクシャしてしまい銀色のニードルが露出していた。
(仕方ない、)とりあえず右手はそのままにして、白い男の反応を覗った。
白い服の男は、俺が衝撃波を避けたことが信じられないらしく指先で元俺がいたところを指差したまま固まっている。
「ばかな、ほぼ光速に近いソニックビームを除けるとは・・あの獣人といい・・人間の反応速度では不可能だ」
白い服の男はそう言いながら、再び俺のほうを指差した。
Mr.Bが言うように充電時間など全く無く、虹色の模様がすぐに現れ出した。
俺は、地面に低く構え次の衝撃波が来るのに備えた。
白い服の男は、フルフェイス型のヘルメットを被っているため表情は読み取れないが、俺がヤツの攻撃をあっさり避けたせいで随分動揺しているように見える。
模様が指先に集中するのを見計らって、俺はクリス博士にもらった最新の左脚で地面を蹴った。
またしても空間を切り裂く轟音は空振りに終わり、俺が元いた場所に大穴を穿っただけだった。
博士がつけてくれた新しい足はともかく、俺の兵士として敵の先を読む感覚も捨てたものじゃない。文字通り紙一重だが、敵の新兵器を避けることができた。




