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Mr.Jvs.謎の白い男

 鉄の扉と一緒に飛ばされたMr.Jが砂の中からふらふらと立ち上がった。

 結構激しくやりあったのか、ダメージが大きそうだ。あの獣人がこれほどやられるとはあの白い服の男はいったい何者だ?。


 あの時のクリス博士の雰囲気からすると、同じ科学者のような感じだったが、獣人相手に怯むことなく戦っているとは並みの人間ではない。

 歴戦の兵士でさえ獣人相手では平常心は保てないはずだ。

 それが、全くおびえもせず戦っているように見える。


 立ち上がったMr.Jを見つけたその男は、肩から手を離し、人差し指を立てゆっくりとMr.Jを指差した。

 まるで指で拳銃を作って人差し指の銃身がMr.Jを狙っているように構えた。


「屋外だからもう手加減する必要もないな・・」

 男がそう呟くと、身につけている白色の服が、不思議な虹色の光沢を帯び始め、その色がMr.Jを指差した右手の方に流れ出し、そのまま指先の一点に集中した。

 一瞬、空気が裂けるような強烈な音と波動が周囲を揺らすのと同時に、空気のゆがみが肉眼で見えるような衝撃波が男の指先から放たれ、Mr.Jに襲い掛かった。


 何なのだろう。今まで見たこともない、電気でもなくプラズマでもないようだが、見るからに強力な破壊力を持った何かに違いない。俺の戦闘員としての感覚の非常ベルが一斉に鳴り響くような危険な波動だ。

 たとえ、人間離れした獣人でも、まともに食らったらひとたまりもなさそうだ。


 ところが、Mr.Jはふらふらしながらも、意識的になのか、それとも本能なのか、波動が発射された瞬間、すっと身体を傾け衝撃波の直撃を間一髪でかわした。

 それでも獣人をかすめた波動の威力は、2メートルもある獣人の身体をまた数メートル吹き飛ばし、さらに直撃した後ろの地面に、膨大な砂埃を巻き上げながら大きな穴を穿った。

 衝撃波がかすっただけで吹き飛ばされたMr.Jは、確かに致命傷ではなかったようだが、さすがにすぐには立ち上がれない。倒れたままで身動きもしない。


 見たこともない新兵器を前に、どう対処したらいいのか躊躇している俺の耳に無線機からMr.Bの声が聞こえてきた。

「あれは、ザビ共和国が開発中のバトルスーツだ。特殊な電磁波を使った強力な武器が特徴だが、かなり電力を喰う。一度使用すると二発目を撃つまで数分間チャージ時間が必要なはずだから、やるなら今だ」


 どうやらMr.Bの位置からも白服の男の姿は見えているようだがやつらと遣りあう気はないらしい。

 まあ仕方ない。確かに体力勝負なら、Mr.Jに間違って飛ばされて気絶したMr.Bより絶対俺のほうが向いている。


 そのMr.Bの声が続いた。

「そういえば、あんたが着ているそのツナギだって我が国の開発中の兵器の一種だ。素材は一見普通の生地だが、最新のポリマーでできている、一種のバトルスーツだ。それと右胸のポケットにカード型拳銃が入っているはずだ」


 えっ?拳銃?・・・全く重さを感じない。試しに指定された胸ポケットを探ってみると確かに1枚のちょっと厚めのカードが出てきた。


「真ん中のボタンを押すと変形してニードルガンになる。リニアで飛ばすタイプで直径5mmのニードル弾を10発発射できる。殺傷力は低いが、結構相手にダメージを与えられる」

 なるほど、確かにボタンを押してみると手のひらの中で器用に変形して、超小型で薄型の拳銃になった。

 薄くて少々持ち辛いが、使えなくは無い。



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