散歩式農業
「それを言うなら三圃式でしょう?」
トンガリの役目もするウィル。
「いや。散歩式なんだな、これが」
11世紀、三圃式農業による生産力の増大が、西ヨーロッパ世界に膨張をもたらした。
「そろそろ畑の準備をしないとね」
静岡も農業大国だ。
「他の畑を眺めて、自分もやらなきゃなってとこだろ? ミドル」
真似事もあるラインを超えると、マネーを生む」
「まあな。あと、ネットと違うなんて泣き言いいたくないしな」
自分の目で確かめる。現実世界こそスクリーンだ。
「あれだけ野菜が高騰しちゃうと、自家栽培がますます人気になるわね」
荒唐無稽なレベルに跳ね上がっている。
「雲水師範の鍛錬に、すでにあるもの」
素手が推奨だが、鍬の使用も認められている。
「悟空の原点はそこなんだよな~」
どんなに悪ガキでも、強いやつの言うことはおとなしく聞くものである。ミドルは素手で耕している。
「牛乳配達も結構きついぞ」
瓶入りの販売終了を決めた企業が出たばかりである。
「サメに食われた弟子もいたんじゃないかしら」
オオメジロザメは淡水でも生きられる。海県のキョー子は泳ぎ姿もトビウオのようだ。
「俺らが散歩してるだけで、街の治安も保たれるってもんよ」
警邏の犯罪抑止効果など、考えるまでもない。パトカーが走っているだけで、かっ飛ばしていた車もソロソロ運転になる。
「ちょっと背が足りないんじゃない?」
残酷な結果だが、身長が185も超えてくると、ケンカを売られることが激減する。
(後悔するのはミドルの相手だけどね)
「こっちに越してきて気付いたよ。農具がたくさん売ってるなあって」
岡と田んぼはどれだけイジってもよい。
「鋳物も有名なんだぜ。壊れてもすぐ直してくれるんだ」
本多忠勝の功績に拠る。お座敷唄・桑名の殿様で時雨茶漬けを食べているのは大旦那衆とされているが、藩主を意識していたとしても、なんら不思議ではない。
「やっぱり村正を生んだ地だけあるな!」
歴史マニアのススムが興奮した。




