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破軍のヘルメシヤ  作者: 三重野 創


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盟神探湯(くがたち)

「ぬるい湯じゃ入った気がしないな」

 ミドルは三重っ子だ。


「江戸っ子だけど、そんなに熱い湯は好きじゃないぞ」

 ススムは五大所山ふもとの温泉がお気に入りだ。


「日本に来て熱湯コマーシャルを知ったわ」

 いまはやっていないハズだが。


(あれは本当に熱かったのかな?)

 キョーコも温泉好きだ。


「え、俺はやらないぞ!」

 危機察知能力の高いミドル。


「まだ何も言ってないじゃない!」

 いたずらっ子ウィル。


「ウィルにやらせようとしたら破廉恥だけど、ミドルならいいか」

 竜ちゃんのポジションである。


「ヒッショーだけなら不公平だよ。ウィリーもやらないと」

 男が言ったら気持ち悪いがキョーコが援護してくれた。

 すぐキモいと言う人は、吐き気体質である。流行語にさせたのは、旧劇エヴァラストのアスカだという説がある。


「別に平気よ。どうせなら盟神探湯でいきましょ」

 盟神探湯はかつて行われていた神聖裁判である。本来の語意と大きく異なるが、危険なので真似しないように。


 熱湯コマーシャルは当初50℃くらいであったが、徐々にぬるくなっていった経緯がある。

 

 一行が五大所の秘湯へ向かう。猿やカモシカも入りに来るスポットだ。

*フィクションです


「っちー!」

 ススムが手を引っ込めた。


「ここ、特に熱いとこじゃん!」

 ミドルも身を案じる。


「あたしから行くわ」

 勇ましいウィル。


「無茶しないでよ」

 かき氷の脇でスタンバイするキョーコ。


「えいっ!」

 1、2、3、4、5、6、7、8、9、10・・・


「はあ、はあ」

 18秒。よく耐えた。


 ウィルに火傷は無く、より肌が輝きを増した。

安心してください、水着を纏っています。


「次は俺だな!」

 準備をする熱血少年。


「ヒッショー、腕に傷があるじゃん。やめたほうがいいんじゃないかな?」

 キョーコがミドルの挫創を見留めた。


「さすがにしみるな、これは」

 ススムが両腕をクロスさせた。


「ちょっと待って。新年はへび年だから・・・」

 盟神探湯には、蛇バージョンもある。


 蛇満載の大壺を台車で運んでくるウィル。


「アカン、アカン! 小説なのにモザイク掛かってますやん!」

 三重は関西弁も入り交じっている。


「ウィルは蛇女だ!」

 メデューサはゴルゴーン3姉妹の三女。名は女王を意味する。


 蛇我を誘惑《まどは》して我食へりと

 彼は汝の頭《かしら》を砕き、汝は彼の踵《くびす》を砕かん


「「新年もよろしくお願いいたします!」」






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