俺は触覚
「ミドルってさ」
ススムがミドルの腹をちょろんと触る。
「ぎゃはははは!」
距離を取りうずくまるミドル。
「異常なまでのくすぐったがりね」
夢という名の拳をかかげて、サムライになれるか。
「でもさ、そういう人って妙に察知能力があるよね」
キョーコの指摘通り、触られたくないの一心で防御力も増す。
「単にビビりなだけじゃない!」
ウィルは変質者を近ン寄らせない迫力がある。
「雲水のじっちゃんにオペを受けてからさ、一層ひどくなったんだよ」
血の巡りが良すぎる13歳。
「僕は逆に鈍いな。脇を触られたくらいでなんとも思わん」
それはそれで何か問題な気もする。
「急所への攻撃を目でなく肌で感じる。わたしも欲しい能力だな」
キョーコは好意的に捉えている。
「彼女が出来たらなにかと困るんじゃないかしら」
際どい指摘である。
「TVでもさ、くすぐったい表現を見ると消したくなるんだよ」
共感性羞恥かも知れない。
「くすぐったがりは筋肉が凝ってる状態らしいぜ。ただ、ミドルの筋肉が凝り固まってるとは思えないし」
ススムが相棒の腕のほぐれを確かめる。そしてまた笑い出すミドル。
「そうね。ススムくんの言うとおり、凝り固まりじゃないわ。超感覚過敏の可能性があるわね」
なにやら企んでいるお嬢。
「待て、それだけは絶対駄目だ! 俺を実験台にするんじゃない!」
押さえつけられてくすぐられたら、ウィルに対しても反射的に蹴飛ばしてしまうだろう。
「おとなしくしなさい!」
くすぐったがりは、あっという間に見えないところへ飛び去っていった。




