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武芸百般2


さて、ガーランド工房長に見送られ工房を後にするとすぐに騎士に確保され凄まじい勢いで凹状に運ばれたと思うと、騎士の訓練場に立たされていた。

ちなみに防具に関しては工房長に『坊主のは用意できねぇ!』と言われたが、代わりに錬金術師の作る護符のような物を用意してもらえるらしい…というか、今更だが何故戦うの前提なのだろうか、確かに義理はあるがそこまでして、特に命をかけてまで俺がペリノア卿と戦う意味はあるのだろうか?

最初聞いた時からちょっとはあった疑念を再燃させつつも、待ってろと言われたので案山子型の魔道具っぽい的に対して素振りしつつ待つ事数十分…現れたのは騎士団、フル装備かつなんだか嫌味ったらしい金ぴかだったり…有り体に言えばボンボン風味な方々が現れた。


「貴様がガウェイン卿の連れてきた平民か…」


眼に映るのは俺ではなく謎の嫉妬と怒り、そして侮り…はて?見習い騎士の訓練でもつけてくれるのかと期待していたが、どうやらそう穏やかでは無いようだ。すぐさま取り囲まれる。

いつも通り解析を起動させっぱなしにしているので目がうっすらと光っているが…運良く騎士のうちの一人、豚のように丸々と太った男の手が何かを掴み投げる前兆が見えた。


「おっと」


俺はそれを避け柄を掴む。

呆然とする太った騎士、俺はクルクルとそれを弄ぶと地面に刺す。装飾ばかりでギラギラとしたこの短剣は趣味じゃ無い、それに太っちょさんは何故かお怒りの様子である。


「き!貴様!平民の身分で我が宝剣を掴みあまつさえゴミのように捨てるか!」

「…じゃあ投げなければ良いのでは?」

「貴様が避けなければよかったのだ!この平民が!」


いや、意味不明すぎる…と、言わない、貴族…それも長く続くような名門であればあるほど起こりやすい、所謂腐敗、権力の集中によるおごり、苦労せずともその地位にいた子孫の傲慢、いやあ、まあわかってはいたがどうやらこの国でもそれは避けられるない流れだったのだろう。

というか、円卓という最高権力者たちの意思決定機関があるのに貴族があるのが少々不思議だが…いや、多分元は円卓の騎士の部下であった彼らの祖先が土地をもらったりした結果なのだろう。めんどくさい。


「それでなんの御用でしょうか?」


俺が素振りをやめて一番偉そうな騎士に向き直ると突然の蹴り…


「ガッ!?」

「おっと…」


やべ、うっかり折っちゃった。

その騎士が苦痛に歪んだ顔で転げ回るのを尻目に他の騎士は笑みを浮かべる。ああ、面倒くさい、どうせ最初から難癖つけて俺をどうこうしようとしたのだろう。その大義名分を与えてしまった俺に落ち度はあるが、それ以前にこいつらに騎士道精神とか、そのたるみきった体に力はあるのかとか色々聞きたいことが山積みなんだが?


口上をあげることもなく騎士たちは俺に向かって真剣を振り下ろすのであった。


「はぁ…ま、殺さなきゃセーフか?」


どうやら思っていたよりこの国は終わりかけらしい、俺は目の前に一直線、魔力を込め打ち出した拳で道ができるのを見て中心を抜け出した。

人数はおよそ五十人、練度は…お察しである。今見た剣筋では狂気に呑まれ歪み、異形となった者も介錯出来ないだろう。


「火よ!」

「風よ!」


魔法もチラホラ使ってくるが、息切れも早いし、威力も一般的の域を出ない、しかも見ればそれは騎士ではなく宮廷魔導師団の制服であるローブを着込んだ魔法使い…だがやっぱり貴族的な肉のつき方というか、魔力循環もうまいように見えない…


「はぁ…」


俺は魔法を魔力循環によって生まれる魔法防御で逸らし、強化した木剣で前衛として出てきた何人かの腕と足の骨を折る。


そういえば、この国には大きな騎士団が二つ、宮廷魔導師団も二つあったような…なんか読めてきた。多分どちらも片方は貴族のコネで作らせたものだ。ここは騎士王の治める騎士の誉れを体現したような国、そこで騎士であるということがどれだけの価値を生み出すか…少なくとも利権に目がいった貴族たちの琴線に触れる程度には良かったのだろうな…


剣を振ることなく突くように、叩きつけるようにそこを基点に鎧通しと呼ばれる衝撃を中に伝える拳術を応用した特殊な打撃を加える。


「おぶぅ!?」 「ぐぇ!」


手のひらでやったほうが楽だが、これの何が良いかといえばリーチが伸びるところだ。正直言ってタッパが足りないがために顔面の急所が狙えず面倒臭い思いをしながら地上戦をしているのだ。…魔法は非殺傷のものはまだ覚えてないしな!


にしても顔はいいけど弱かったり、顔も剣もダメダメなやつだったり、もはや戦う気がないやつとかもいる。せめて意識統一してからきてくれませんかね?


「な!どうなっている!貴様ラァ!こんな子供に負けてどうするのだ!」

「さぁて…もう暴れてしまったからでは遅いんですが…」


俺は喚く金ぴかに近づいていく。

五十人のうち四十人ほどを叩きのめし、残り十人は戦うことすらしないで、まあ、好意的に見ればこの不当な暴力に参加せず防寒を決め込んでいる。

まあ、つまりこの金ぴかさんが最後なのだ。

俺は彼に剣を突きつける。


「それで?降伏してもらえますか?」

「か…っは…?」


だが、これは非常に悪手だった。というかここでまた妙な感じに慈悲を見せたのがダメだった。


「ヒッ、ヒィイ!こ!降伏など!貴様に!平民!いや下民の子供風情にぃぃ!「そうですよね!じゃあもうちょっと頑張ってください!」はっ!?」

「なっ!」


金ぴかの背後にいつのまにか居たのは緑髪と褐色の肌を全て黒い布で覆った暗殺者らしき青年、彼が金ぴかに禍々しい県のようなものを突き刺したのだ。

…まあ、こういう時はだいたい…


「お…ぼすべあいdshkjskjdんでいうwj!!?」


相手は魔物的何かにされるっていうのはテンプレだが、そこまで忠実にしなくてもいいと思う。


「はは!じゃあここで死んでくださいね!未来の聖剣使いさん!」

「一体何を!」


緑髪が消え失せると狂気によって生まれた怪物とはまた違うナニカがバイオでハザードな見た目になり暴れ始め…在ろう事か俺に敵意ましましなのであった。


「bそsjshwdんう…あああああああああ!!」

「今日は厄日だぜ!」

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