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ナンダコレワァ…2


「ヤァヤァ天才転生者少年君、僕はガレス、円卓の騎士…の方じゃない、本当に正真正銘ガレスだ。」

「は…ぁ?」


目の前にいるのはピンク髪を長く伸ばし腰のあたりで纏めた快活そうな、と言うよりは理性が蒸発してそうな表情の少女、まるで表情が一種類しかないような固定された笑顔と其の瞳に映るあり得ない数の魔法と魔術の式、まるでに肉体そのものが魔法でできているのかと見紛うような構成要素に解析結果がねじれ狂う。


「人間…ですか?」


俺はとりあえず質問せずにはいられなかった。なにせ空から降ってきた彼女はなんの魔法も、魔術もそれどころか魔力を動かした気配すらなく重力を打ち消して舞い降りて来たのだ。人間業ではないし、そもそも人間なのであれば解析にカケラほどは引っかかるはずだが、彼女から読み取れるのはあり得ない量の魔法の術式や魔術の術式、果ては昨日見た転生の術式などなど…それらが常に展開され、発動され続けている。

質問せずにはいられなかった。


「おや、意外と鋭いね、鋭いが失礼だな、君は。」

「一番失礼なのはお前だガレス、もう一回絞られたいのか?」

「アッハイ、ごめんなさい。」


彼女は鮮やかな土下座を見せる。うん、なんだか意味不明な上に初対面なために何を考えているかなんてさっぱりわからないが、この兄妹はこう言う力関係なのね、それはわかった。

そしてもう一つわかったことがある。どうやらこの世界、相当インチキ極まってるらしい。


「…もしかして、自分で自分の魂を無理やりこの世にくっ付けてます?」

「ザッツライト!そのとーりでごぜーます。ま、本来、脳筋騎士だった僕がいくらあがいてもこんな大魔術使えるはずないんだけど…そこはちょっとズルをしてね、今では立派に魔法使いさ、お陰で自分で肉体も用意できたしね。」


くるっと回ってスカートを回転させる。世の青年達が必死で其の中を覗こうとしそうな動きだが、なんだか非常に胡散臭い、魔法使いとは得てしてそう言うものなのだろうか?彼女の瞳には水色をベースに、ピンクの星型の図形が入っている。もちろん今まで見たことも聞いたこともない特徴…作ったと言っていた肉体、絶対に何かがおかしい、凄まじく胡散臭い、が、魔力量も其の操作も一流どころか俺など及びもつかないレベルである。魔法使いであるのだけは確かそうだ。


「まあ、それでだ。…君は僕のことをまるであり得ない存在みたいに見ているみたいだけど…僕からしたら君も相当あり得ないんだぜ?」

「…どういうことですか?」


彼女はじっと俺を見る。其の瞳には外からの光が介在する余地がないほどの近さなのに、内から湧き出るような狂気の光が入っていた。


「其の術式、いや、解析の魔法…と言えなくもない術式、それを使って僕の『解析』を見てみな?」

「…?」


俺は彼女の発動させた解析を『見る』そこにあるのいつも通り俺の使っている解析と同じ要素を含んだ…含んだ?


「どう言うことだ…」

「わかった?」


同じ効果、同じ術式、同じ魔力消費量、同じ魔法における最小単位というのは基本的に余白を捨て去った最小限発動する形、だと言うのに、それだと言うのに。


「俺の解析の方が…小さい?」


いや、よく見ればそもそもの言語が違う。圧縮方が違う。構造が違う。今の今まで他人の解析というものを見たことのなかった俺が初めて見た解析は、いつも俺の視界に映り込むそれとは全く違う…しかし、俺がなぜかわかる其の言語の組み合わせや性質的にはほぼ同じものだった。


「そう、違う。正確には魔法と魔術を構成している魔法言語よりも、上位の言語、神の使う真言とはまた違うけど、明らかにこの世界とは違う体系、違う方式、違う言語によって組まれた全く未知の魔法…いえ、魔術かもしれない…驚きだよ、今まであった転生者の持っていた異能ですらこの世界の技術体系の内に収まっていたはずなのに、君は全く違う物を、しかも神の仕業でなく、自分の魂に刻んでいるんだから!」


つまり、なんだ?俺は魔法が元から使えた?


「いいや、そう言うわけじゃないが、端的に言えば君は…前世よりも前の何かがあるか、それとも前世が複数あるか…言ってしまえば見当はつくが全然わからん、謎だよ!未知なんだよ!」

「は〜…あ?」


よくわからん、つまり不明って事か?


「そうだね!以前聞いた話だと複数の世界線から来た魂が混じったり、転生やら輪廻の輪から外れる瞬間に魂の形が変容した結果、たまたまそうなったか…本当に死ぬほど可能性はあるからね、見当はつくが見当がつかないってやつさ、実験したり事件があって結果からだと過程が完璧にわからないように、君が今の形であることにあり程度理由はつけられるが、どうしてそうなったかはさっぱりさ、これなら昨日ゴリラゴリラな太陽の騎士様が燃やし尽くした呪物の方がまだ単純だ。」

「…」

「まあ、けど覚えておいて欲しいのは、君のそれはもはや『固有魔術』とでも言うべきこの世界の理に反するものであり、其の理の中に治らないものだ。それを使って見えるものやできることは、普通できない、と考えてくれ…よかったね!少年!どうやら君のチートはその未知の魔法らしいぞ!」


…う、嬉しい…のか?というかテンション高すぎる上になんだか数日前からずっといたかのように喋っているんだが一体…


「ああ、それね、それはね、僕が「ガレスゥ…いつになったら本題に入るんだぁ?」…おっほ。このままでは可愛い可愛い私がゴリゴリゴリラなお兄様にあんなことやこんなことをされて薄い本が厚くなってしまうでござる!…あっはい、睨まないで、真面目にやるよ…」


本題?本題と言うのは解析の異常さじゃないのか?


「君は鋭いけどバカだねー、そんなことでお兄様が僕を頼るわけないじゃーんw」

「…非常に遺憾ですが、この愚妹は多忙です。もう半年前に呼び出したのにもかかわらずここに着くのにいまの今まで掛かる位には…ね。」


彼女はズビシッと魔法使いっぽく飛んできた箒を掴み構えると高らかに宣言する。


「ふふーん!そう!この大魔法使いことガレスちゃんは、このあと一ヶ月間!君の師匠になってあげよう!!」


イエーイ、ドンドンパフパフーと、無駄に魔法を使いまくり派手なエフェクトを決めていく彼女…


「ガウェイン卿、まじですか。」

「ええ、まじです。まあ、半年前から魔法使いの講師を呼ぼう呼ぼうと思っていたんですよ、王都のマーリンは師匠としてあまりにも規格外すぎますからね…あ、ついでに言えば解析云々は私の知るところではありません、昨日の戦いの際、あの愚妹に頼み込まれ、こんな形で引き合わせることになりました。…大変申し訳ない。」


…うん、まあ、疲れたゴリラの顔を見て溜飲を下げよう。うん、とりあえず。もうなんかあのやばい目をした魔法使いが俺の方を見ながら絵がを固定で一人芝居をしているのを止めないとな。

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