プロローグ 一般魔法使いの俺。パーティを追放されたので魔道具店員始めますー①
「……もうアンタの居場所はここにはないわ。だからアンタ……このパーティから抜けてくれる?」
静寂が場を包む部屋の一室。
俺の目の前で、彼女は冷酷無比な表情でそう告げた。
だから俺は、思わず問い返した。
「え、っと……どうしてか、聞いてもいいかな……?」
「どうして、って……そんなの、自分で分かんないわけ?」
俺の問いに対して即座にそう答える彼女の両隣には、屈強な肉体をした男性と、黒い装束に身を包んだ神秘的な女性。
しかしその双方もまた、俺を哀れなものを見るような目で、見下した視線を向けてきていた。
「最近よぉ、自分一人で魔物を倒せてねぇだろう? ……俺たちは気使ってんだぜ……?」
「えぇ、そうね。それに……貴方がいると戦闘にも支障が出るの。だから……ね? わかるでしょう?」
彼らはそうは言うが、しかし俺は引き下がれなかった。
「でも、どうしていきなり……!? 今までずっと一緒に戦ってきた仲間じゃないか!? ……せめて、理由をはっきり言ってくれたら、俺も理解ができるんだけど……」
当然だ。
俺たちはこれでも数年間を共に、打倒魔王を掲げて魔物を倒してきた仲間だったんだ。
それなのに、急にこんなことを言われて納得できるわけが―――!
「……ちゃんと説明してくれよ、クラリス!」
そうして俺が、中央で見下す彼女――クラリスの名を告げるが、しかし彼女は俺と顔を合わせるのも嫌になったのか、すぐにそっぽを向いた。
クラリス。
俺の出身村の領主の娘で、正真正銘の貴族の令嬢。
無表情で魔物を屠り続けるその姿をして、周囲からは《氷相の剣姫》と呼ばれているほど有名な冒険者でもある。
だけど……俺は知っている。
彼女が……誰よりも優しい一人の女の子だってことを!!!!!
《氷相の剣姫》。
そんな大層な名をつけられた彼女と俺は、色々な偶然が重なり合って、仲良くなった。
いつかは二人で村を出て冒険しようと言い出したのも彼女からだし、そこからは何をするにもずっと一緒だった。
村を襲ってきた魔物たちを彼女の綺麗な剣捌きと俺の魔法で倒し続けた日々。
もしかしたら死ぬかもしれない……そんな死線を共に潜り抜けてきた俺には分かる。
確かに彼女は少しだけ言葉足らずで、まるで絵物語の悪役のような令嬢のようだけれども、本当はずっと優しくて……。
……何の理由もなく、別れを告げるような人じゃないって!!
でも……。
クラリスは、依然として俺の顔を見ようとはせず、ただ、後ろを向いて肩を震わせていた。
その姿を見て、思わず悔しさを抱えた俺は、静かに顔を伏せる。
「……そ、っか……。いつの間にか、俺は君にとって足手まといになっていたんだね……」
彼女は答えない。
でも、優しい彼女が対話を拒否してまで俺をパーティから追い出そうとするってことは、間違いなく俺のどこかがいけなかったんだろう。
……ならば俺はもう、覚悟を決めるしかないのだろう。
「……分かった……俺はこのパーティを抜けるよ。……だから、もう―――」
そう、俺が言葉を続けようとした……その時。
「っ、は、はぁ~~~!? ねぇ待って!? まさかアンタ、もう"会わない"とか言うんじゃないでしょうね!? そっ、それは絶対許さないわよ!? 正気!?」
「……っえ……?」
【応援お願いします!】
「続きはどうなるんだろう?」だとか「面白かった!」
など思っていただけたら、下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします!
ブックマークや感想もいただけると本当に嬉しいです!
更新は"不定期"【AM0時】更新予定ですが、プロローグ、第一話終了までは"毎日"投稿いたしますので、ぜひ、気になった方は読んでみてください!




