↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
契約結婚を終え、離婚しましたが正直(お互いに!)未練タラタラです  作者: cheeery


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
19/23

第19話:心に空いた穴【蓮side】


そろそろ言わなければいけないことは分かっていた。


彼女が不安に思っていた元カレも消え、その相手も会社を退社となった今、俺と彼女が結婚生活を続ける理由がない。


それでも、言い出せなかったのは俺の勝手なエゴだ。


ある日の仕事帰り、リビングに入ると彼女が待っていた。


テーブルの上に置かれた紙きれ一枚。

離婚届と書かれたそれ。


見た瞬間に諦めがついた。


まあそうなるよな……。

彼女は新しい一歩を踏み出したがっている。


だったら俺は手放さなきゃいけない。

もともと自分から提案してスタートしたことだ。


終わりを告げるのだって潔くこちらから告げるべきだったのだ。


こうして俺はその離婚届にサインを書くことにした。


離婚届けは俺が提出すると伝えて、この日は終わった。


それからはなかなか時間が作れなくなり、紬との生活もほとんど一緒にいることはできなかった。


これでよかったのかもしれない。

もし一緒に過ごす時間があったら、俺は彼女のことを引き留めてしまうと思うから。


彼女の背中を送り出す。

それが俺にできる一番のことだ。


『元気でな……』


こうして彼女は去っていった。


もう一生会えないわけじゃない。

でもそのくらいの別れに感じた。


彼女を送り、家に帰ってくるとそこは静まり返っていた。


もう彼女が「おかえり」と出迎えてくれることはない。

疲れている時に「どうしたの?」と問いかけてくれる人はいない。


彼女の笑顔を見ていると、いつも元気になれた。


細かいことは気にせず、明るくて笑い飛ばしてくれて……決まり切った生活を送る自分の中に唯一入ってきた明るさだったと思う。


「はは……」


こんなにむなしいのか……。

まさかこんな感情になるなんて思いもしなかった。


失恋っていうのは、こういう感情だろうか。

今までしたことがないから分からない。


心にぽっかり穴が開いて、どうしようもない虚しさを感じる。


あの時声をかけたのは間違いだったかもしれない。

普通の同級生でいればよかったのだ。


それを……。


『それなら結婚するか?』


そんなことを提案してしまったがために、俺は……。

紬の顔が頭から消えなくなっている。



「バカ、だな……」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。