↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
86/93

~アトランティスの水産物~

~アトランティスの水産物~


アトランティスにも魚を食べる文化がある。

竜人族の街では、煮付け、干物、刺身を食べる文化もある。


アトランティスには海が無い。水路はあるが小魚が泳ぐだけ。頼みの竜人族の街に流れる川には錦鯉が悠々と泳いでいる。

100年ほど前には食用の鯉も泳いでいたらしい。


♢♢♢♢♢♢


【竜人街・魚屋】


里依媒(リヴァイ)亜阿讃(アサン)仕入れ、また頼んでいいか?」


遊廓、八百屋、魚屋などを仕切っている竜人街屈指の大店からの依頼だ。


「いいぜ。俺達はあいてむぼっくす?ってヤツを最新の端末にダウンロードしてるからな。」


あいてむぼっくす?アプリが汎用化されるまでは氷の魔石を使っての冷凍魚が流通の中心だった。

転生冒険者がたまに生魚を卸しに来てくれるだけで、刺身は高級品であった。

転生冒険者のスキル「アイテムボックス」のアプリ化に成功。

生物の流通が一気に盛んになったのだ。


♢♢♢♢♢♢


【第397世界・アクアリス】


【港街の酒場】


「なぁ……あいてむぼっくすアプリ高いよな……月30000アトだよ……」

「んーその分稼ぐしか……」

「昔はさ、地上へ降りて地球の魚仕入れたりもしてたんだろ?」

「みたいだな。地球は温暖化が進んで海の生き物の生態系が変わって来てるんだと。冒険者ギルドからも企業ギルドからも禁止の通達出たぞ。」

「まぁ俺達水棲竜を先祖に持つ竜人には海なんて庭みたいなもんだし、この異世界は楽園だよなぁ。」

「違いないね、稼げるし。」

「今日の狙いは?」

「クラーケンだろ?」

「だよなぁ、焼いても良し、煮ても良し、刺身も良し。」


…………


「なぁ、何で異世界ってさ、ビールじゃなくてエールなんだろ?」

「アトランティスの文化を過剰に持ち込んではいけないってルールあるからじゃないかな?アグーやマツサカはいるのに(笑)」


温くなったエールを飲みながら2人は魚をツマミに語り合った。

カルパッチョ、アクアパッツァ、貝焼き。

この世界に来たなら魚料理食べないとな。


「仕事は明日にするか。」


2人は定宿へ向かった。 


【アクアリス・港】


港へ続く道は石畳で、白壁の家か建ち並んでいる。水路が張り巡らされてゴンドラが行き交っていた。

美しい街ではあるが、2人には見慣れた光景だった。足早に通りすぎる。


里依媒(リヴァイ)が異世界人の漁師に声をかけた。


「最近、クラーケンの目撃情報は無いか?」


「ん?クラーケンか!ここにはいねぇが、北の町ミナトリアに出たって聞いたぜ。お前ら他国の冒険者か?確かギルドに討伐依頼出ているハズだが。」


『あ、冒険者ギルド行くの忘れてた……』



【港町・ミナトリア】


飛竜でミナトリアへと向かう。


山を越えていくつか点在している集落を過ぎると町が見えてきた。

海岸線は切り立った崖が続いていて河口に小さな漁港があるだけの小さな小さな町だ。


「ここかー!?ここは初めてだな。」


港に降り立つと1人の漁師が話しかけてきた。


「おめぇさんたち、他国の冒険者か?ありがてぇ!クラーケンが出て漁か出来ないんだど。町の船宿も観光客来なくなって……ただでさえ限界集落なのにたど……」


(あ、この国って確か中央集権の宗教国家だったな。地方はこんな感じなのね。)


「じゃ、捕ってくるわ。」


亜阿讃(アサン)が普通に答える。


「ん?え?ええ?捕ってくるだど?クラーケンだど?」


「捕ってくるよ。他の魚も捕れたらここに置いてくから自由に食べていいぜ。俺達はクラーケンが捕れればそれでいいからさ。」


飛竜に乗って沖へと向かう。


「いたね。」

「いるねー。」


亜阿讃(アサン)がアイテムボックスから魔法網を取り出す。


「ぽいっ!このクラーケン30メートルあるんじゃない?網足りるかな?」


「動けなくしてくれればいいよ。」


里依媒(リヴァイ)の竜が静かに下降する。


「よいしょっと。」


アイテムボックスから槍を取り出す。


「それっ!」


頭と胴の付け根 胴側 斜め45度位 に槍を一刺しする。


「もう一回。うおぉーりゃ!」


クラーケンの赤紫の胴体がサーッと白くなっていく。


「今だ!アイテムボックスッ!」


スーーっ。


クラーケンの巨体が活〆され、アイテムボックスへと収納された。


「成功したな。魔石に変わってからのドロップ品だとクラーケンの身が十分の一ぐらいになっちゃうもんな。これだと丸々食える!」


網の中に残った魚は?

タイにヒラメ、カツオにマグロ……


「おい!亜阿讃(アサン)お前さっき残った魚、漁港に置いてくって言ってなかったか?どーすんだよ!大店からの依頼!」


「あーーーーーー!カッコつけて忘れてたよ。少しだけアイテムボックス収納しとこ。」


タイ、ヒラメ、カツオ、マグロ……網の中の半分ぐらいを隠すように収納した……


漁港に魚を届けて、俺達はアトランティスへと帰還した。


後に

アクアリスでは

クラーケンを一瞬で倒した他国の冒険者が町を救ったという英雄伝説が残ったそうだ。


「イカ焼きうめぇええええ!」

「刺身も最高ぅうううう!!」


『アプリの支払、今月余裕だな。』


~アトランティスの水産物・完~



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。