~③ガウディと渋沢栄一の中央塔再建計画~アントニ・ガウディと渋沢栄一。会議編 ~
~③ガウディと渋沢栄一の中央塔再建計画~アントニ・ガウディと渋沢栄一。会議編
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【異空間】
ここは中央塔建築の為に創造神が創った異空間。
「ガウディさーーん!この窓の彫刻と曲線、これでいいかーーー!?」
ドワーフ親方が地上3階から声をかける。ドワーフ親方は魔道具を使いながら巨人族が建てた足場の上にいる。
「あ、その曲線もう少しウネウネさせたいでーす!」
「それーー天使さんたちから止められてるーーー!やらないぞーーー!」
(ちっ。)
その時。
ワープゲートが開き、1天使と1人の男が異空間へとやってきた。
「あーガウディさん、この方渋沢栄一さんいいまして、中央エリアの開発を任されてる転生者でっせ!」
(ガウディ?確か……ヨーロッパの建築家では?)
渋沢栄一は生前読んだ英字新聞を思い出していた。
「おぉ!貴方が!渋沢栄一さんですか。天使さんから聞いてますよ。この塔を中心としたエリアの再開発なさるとか?」
「秘書天使殿。私、聞いてませんが?塔の建て替えです?と?」
渋沢栄一が天使をギロリと睨む。
「もう、ええやないですか、そんな細かいことは。塔完成間近ですわ!素晴らしいでしょう?」
天使が興奮気味に話し始める。
「へへへ。良いでしょう?この曲線と全方向から光を取り込むこの設計。屋上庭園の庭には緑が生い茂る予定です。」
ガウディが説明を始める。
「大きすぎます。一回り、いえ、二回り小さくして下さい。これではこの施設だけで中央エリアを占領しかねません。塔には役場が入り、周りには商業施設と冒険者ギルドが再建築されますよ?」
(ちっ。)
「ガウディさん、初対面なのに申し訳ありませんが、小さく出来ますよね?ね?」
「はい。やります……」
項垂れるガウディの元へトコトコと走ってくるドワーフ親方。
「小さくするのかーーー?それはー創造神様案件だぞー。」
ここでそぉーっと秘書天使が手を上げる。
「オレ、出来るよ?創造神様から、異空間での力貰ってるさかい。」
『え?』一同『え?』
「このままのデザインと設計でぎゅーっと、すればええんやろ?出来るで?ほな、ぎゅーーーーーーっ!」
『出来てるーーーーー!!!』
「はい。出来ましたね。では、皆様、会議室に集まってください。天使殿、冥界担当者、保護施設担当者、財政担当者、行政施設担当者、冒険者ギルド代表者、各民間企業代表者に連絡お願いしますね。建築代表はガウディさんお願いしますね。」
渋沢栄一はそう言うとワープゲートへゆっくりと歩みを進めた。
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【会議室】
・冥界担当 小野篁
・保護施設担当 ヤマタノオロチ人間変身体(美青年)
・財政担当天使
・行政施設担当 受付嬢代表
・冒険者ギルド代表 元剣聖グレン
・民間企業代表者数名
議事進行・渋沢栄一。
錚々たるメンバーが集まった。
「先ずは、冥界担当、小野篁さん要望をお聞きします。」
「はい。冥界には日々たくさんの死者がやってまいります。業務を滞りなく行う必要がございます。故に、冥界が使えない間の代替施設をお願いしたい。」
「冒険者ギルドさん、その施設の提供お願いできますか?」
「おう!いいぜ。異世界へ繋がる扉の1つを創造神様にお願いして、臨時冥界へ繋げてもらおうぜ!冒険者ギルドからは今の場所と規模を維持してもらえりゃ何も言うこと無いぜ。」
「次にヤマタノオロチさん、何か要望ありますか?」
「そうですね。こちらは子供たちがたくさんいますので安全面を考慮して代替施設をお願いしたい。」
「そこは、行政担当者と力を合わせて子供達と引っ越し作業をしてもらうということでかまいませんか?建て替え当日だけ中央広場へと避難していただけると助かります。それまでは既存の建物を使いながらで構いませんので。」
「民間企業の皆様は、中央エリアに出店するための資料を提出していただきたいと思います。」
「さて、あとは……財政ですが。」
渋沢栄一の目が光る。そして一枚の紙を掲げた。
財政担当者がゴクリ唾を飲む。
会議室が静まり返っている。
「素晴らしい!!これぞ合本自治経済のお手本だ!!」
『…………?』
「皆の労働力を出し合い、豊富な資源を皆で使いながら経済を回す。これが私が生前から理想とする世界である!」
「素晴らしい!私はこれを発展させる為に力を尽くそうと思う。」
渋沢栄一の演説に一瞬間が空く。
「パチパチ。」
小野篁が拍手をすると、
「パチパチ!パチパチ!パチパチ!パチパチ!」
拍手が会議室全体へと広がっていく。
小野篁が心の中で呟いた。
(私の生きてきた現世に渋沢栄一の様な方がいてくだされば、平安の世ももう少し居心地が良くなっていたかも知れませんね。)
「それでは、中央塔移転は七日後。各部署準備をして下さい。天使殿、ワープゲートの手配と創造神様への伝達を忘れない様に。」
こうして、アトランティス一大プロジェクトが本格的に開始されることになるのだった。




