~②ガウディと渋沢栄一の中央塔再建計画~渋沢栄一編
~②ガウディと渋沢栄一の中央塔再建計画~渋沢栄一編
私がこの世界に来て七日目になる。
創造神より「49日後にこれからの道を選ぶよう」にと、言われているのだが……この七日間は何をするわけでも無く街を歩きまわっていた。
そして今は、中央に聳える塔の中層から街を眺めている。
「帝都……」
私が仲間と共に作り上げた【帝都・東京】
街並みは違えど、活気ある人々の営みを見ていると帝都を思い出すのだ。
「そこにいるおっちゃーーん!オレの仕事をちょっとだけ手伝ってくれまへんかー?」
頭の上に輪っかを乗せた子供?
「オレな、創造神様の側近?中の側近?の天使やねん。創造神から中央塔付近の手直しを頼まれてんけど、何から手をつけたらいいか……」
「おお!天使殿か。」
「でな、聞いてるで?おっちゃん地上で都市開発やっててんろ?それなら、うってつけの仕事やで!」
「仕事?」
「ぁぁ……アレや……中央塔のエリアをな……おっちゃん得意分野やろ?相談に乗ってくれるだけでええから。」
「……ですが、私はもう歳ですしね、街を歩きまわるのも大変でしてね。そろそろ……隠居しようかと。」
「ほな!創造神様のとこいこか!」
「え?ええ?」
♢♢♢♢♢♢♢
【創造の部屋】
「ほ?渋沢栄一か。49日はまだ先であるぞ。」
「あ、これはアレです。渋沢栄一さんは、生前日本で帝都?開発?をやってはって、オレ、あ、私の仕事を手伝って貰おうかと。で、ですね、この方を少し若返らせて貰いたいんですわ。」
「ほ?それは理に反す……」
「切実なんですわ!オ……私の仕事多すぎて、お願いいたします!創造神様にしか出来ないことですから。」
「渋沢栄一よ。それで良いのか?不死になるのであるぞ。」
創造神が静かに問いかける。
「??良くはわかりませんが、また仕事が出来るということですね?不死というのも面白そうだ。」
「おっちゃん!あ、渋沢栄一さん、ええんですか?!で、ついでに、20代ぐらいまで若返らせてもらいません?」
今さらそこまで若返らずとも出来るのではないか?
「いやいや、20歳ぐらい若返るぐらいでかまいませんが。」
私はそう答えた。
「おっちゃん、欲が無いですな。せやから目をつけ……」
創造神がコホンと咳払いをした。
「では、渋沢栄一よ。没後生をここアトランティスで送るというのだな?」
「はい。創造神様、私に出来ることであれば協力いたしましょう。」
♢♢♢♢♢♢
【数年後】
「ハァハァ。おっちゃん!話が違いますって!オレの仕事が楽になるどころか……」
「おお、天使殿、この資料なんだが、この数字はなんであるか?」
「あーそれは、ざっくりとしたこの塔の収入ですね。」
「ざっくり?だ、と。ざっくり?ちゃんとした資料は?」
私の手元には
・アトランティス全域調査
・各種族文化調査
・交通網調査
・行政機能調査
・歴史資料収集
・都市開発基本計画策定
全ての資料が山積みとなっていた。
そして私の新たな肩書き
【アトランティス都市計画室 室長】
秘書、通称「オレ天使」殿。
1人と1天使で積み上げたこの資料を元に私は中央塔エリアの都市計画を始めることとなる。
尚、この資料の終わりに私はこう記した。
【所見】
完成された都市である。
新たな都市を造る必要はない。
守るべきものを守り、
不足する機能のみ整備すること。
♢♢♢♢♢♢
【秘書室】
オレ天使が1つの資料を手に呟く。
「そろそろ、ガウディさんの出番かもしれませんね。異空間での中央塔建築も佳境のようですから。」




