44日目~勇者の決意~
44日目~勇者の決意~
翌日。
異世界での【大】冒険を終えた俺達はアトランティスへと帰還した。
冒険者ギルドを出るとそこには四頭立ての豪華な馬車が迎えに来ていた。
「エドワード・アレクサンダー・フォン・ローゼンベルク・フォン・シュヴァルツェン・アルカディウス・マクシミリアン・フェルナンド・ヴァレンシュタイン……様。お迎えに上がりました。」
「セバスチャン。勇者って呼んでいいよ!。」
「(ホッ)では、勇者様、参りましょう。」
「え?なに?打ち上げするって。」
「ん?AIWatchで連絡しといたから。俺の家でいいよな?」
「勇者サマはアトランティスでの休養のため家を持ってオラレマス。」
街を抜け、豪邸が立ち並ぶエリアへ。
馬車は豪華な門の前で1度停まる。
「勇者様のお帰りです。」
門がゆっくり開いた。シンメトリーな庭、真っ白な噴水、その奥に……
「でっけええええ!」
白亜の豪邸が建っていた。ここは辺境伯邸なのか?アニメでよく見るアレなのか?
「あ!勇者の家にゃ♪オーク御殿にゃ!」
勇者宅、いや、勇者邸へ入ると階段下の吹き抜け玄関ホールの両側にメイドがズラリと並んでいた。
「勇者様、お食事の用意が出来ております。」
「マーサ、ありがとう。」
(セバスチャンにマーサ……笑ってはダメだ……ダメだ!)
マーサに案内されて豪華な一室へ通される。
「晩餐室でございます。ごゆっくりとお食事をお楽しみ下さいませ。」
「うわーーー!ご飯にゃ♪」
チャトラはキョロキョロとテーブルの上を見回す。尻尾がピーンとなった!
「あったにゃーーーー♪」
(あ、アレですね?オーク肉ですね。)
「おーーーーー!これはーーー!フラガラッハだーーー!グングニルもあるーーー!あーあっちにもー!あるぞーー!」
(ど、ドワーフくん?)
「幸、ちょっといいか?」
俺と勇者は迎賓室の片隅にあるソファに腰を下ろした。
「あのな、俺、アトランティスに残ろうと思うんだ。お前俺に『それ楽しい?』って聞いたじゃないか。」
「聞いた気もするが……それでいいのか不死になるんだぞ?ずっとこの世界で生き続けることになるんだよ?」
「ああ、それは今も対して変わらないよ(笑)」
「お前に楽しいかと聞かれて、俺は考えたことない。と、答えた。でもな幸。」
「なんだ?」
「俺、楽しかったんだ。お前との冒険が。だから残って楽しい冒険をするんだ!」
「……勇者辞めるのか?」
「辞めないよ?勇者のチート能力は魅力だもんな!魔王の素材が必要なら……その時はやるよ(笑)」
「そうか。お前、決めたんだな?」
「ああ。決めた。でもな。」
「でも?」
「次は26歳ぐらいにしてもらうよ。恋愛も結婚もしてみたいし。」
勇者はチャトラにチラリと視線を向けた。
「青春はもう飽きたよ。」
そう言って勇者は笑った。
しかし、その目は決意に充ちていた。
「勇者TUEEEな!」
「俺、強いよ?!また一緒に冒険しような!」
その言葉に俺は答えることが出来なかった。
まだ、出来ないんだよ……




