31日目 ~三大怨霊ツアー・崇徳天皇~
31日目 ~三大怨霊ツアー・崇徳天皇~
【崇徳天皇神社は香川県にひっそりと佇む神社である。】
眩しい光が消える。
気がついた時には、俺は神社の本殿にいた。
目の前には、一人の男性が静かに立っていた。
「お待ちしておりました。」
俺は深く頭を下げた。
「よろしくお願いします。」
「何かお尋ねになりたいことがおありなのでしょう。」
口を開こうとした。
しかし、言葉が出てこない。
「……何から聞けば。」
崇徳天皇は穏やかに頷いた。
「では。」
「私からお話しいたしましょう。」
「私は鳥羽天皇の第一皇子として生まれました。」
「幼くして天皇となりました。」
「しかし。」
「……なんで。」
小さな呟きだった。
「父に愛されることはありませんでした。」
「やがて保元の乱が起こりました。」
「私は敗れ、讃岐へ流されました。」
「私は、讃岐で八年を過ごしました……」
静かな風が吹く。
「流罪となってから、私は仏門へ入りました。」
「せめて心だけでも穏やかでありたい。」
「そう願い、一字一字、写経を書き続けました。」
「朝廷へ納めれば、この想いも届く……。」
「届く……」
「そう信じておりました。」
崇徳天皇は静かに目を閉じる。
「……返されました。」
長い沈黙が流れる。
「……なんで。」
その一言だけが神域に響いた。
再び静寂。
やがて崇徳天皇はゆっくりと口を開く。
「私は、その時決めました。」
「日本国の大魔王となろう。」
俺は何も言えなかった。
その言葉が、あまりにも重かった。
「それが、私が貴方へ話せることです。」
「……ありがとうございました。」
俺は深く頭を下げた。
崇徳天皇は穏やかに微笑む。
「平将門がお待ちですよ。」
「貴方の知りたいことを、きっと話してくださるでしょう。」




