2日目~ナポリタン~
【二日目朝】
ポセイドン
「案内してきてやったぞ。」
創造神
「ご苦労じゃったな。」
ポセイドン
「我、あやつ気に入った。」
創造神
「ホホホ、そうじゃろうて。」
~二日目~
役場でAI借りてみた
腹が減った……。 そういえば昨日から何も食べてないな。
俺は宿に併設された食堂へ向かった
「オススメで」
湯気と一緒に甘酸っぱい香りが漂う。
目の前に置かれたのは……
艶やかなケチャップ色のナポリタン。
こんがり焼けたウインナーとピーマンが彩りを添えている。
「……。」
「朝からナポリタン!?」
思わず声が漏れた。
一口食べる。
「……うま。」
フォークを止め、ぶつぶつと独り言をこぼす。
「ナポリタンって、日本発祥だよな……。」
(空きっ腹にナポリタンはキツかったな……。)
食堂を出ると、広い吹き抜けが目に飛び込んできた。
宿泊棟や売店、いくつもの受付窓口が並び、大勢の人々が行き交っている。
鎧姿の者もいれば、スーツ姿の者もいる。
「……役場というより、小さな街だな。」
俺は【AI貸出窓口】の列に並んだ。
「転生者の方ですねぇ。」
「こちらが貸し出しAIWatchになります。登録してくださいねぇ。登録と同時に生活支援の対象となりますのでぇ。あ、先程のナポリタンの分も既に記録してありますよぉ。」
「登録?AIWatch?生活支援?」
「あー、その説明はAIの担当ですのでぇ。まず起動してみてくださいねぇ。」
その瞬間、腕時計型のAIWatchがひとりでに起動した。
Atlantis Intelligence Watch
起動します。
初回登録を開始します。
「ちょ!ちょっと待ってーー!いきなり起動した!!」
「はーい!次の方ぁ! あ、登録はあちらのベンチでどーぞー」
「登録を中断します。移動を推奨します。」
俺はベンチへ移動した。
「移動を確認しました。」
「初回登録を再開します。」
「入力効率向上のため、登録モードへ移行します。」
「端末形状を変更します。」
AIWatchは静かに腕時計型からスマートフォン型へ変形した。
「登録モードへ移行しました。」
「お? 変形した。」
俺はもうあまり驚かなかった。
この世界では、それが当たり前なのだろう。
「はいはい、再開ね。次は?」
「顔認証を開始します。」
「認証が完了しました。」
「続いて、お名前と認証パスワードを入力してください。」
和田 幸。
そして、好きな競走馬の名前を認証パスワードとして入力した。
「認証を確認しました。」
「続いて、基本アプリケーションをインストールします。」
「アプリ? ゲームある?」
「娯楽アプリは搭載していません。」
「ご意見として記録しました。」
「じゃー! あるの全部。」
「承知しました。」
「基本アプリケーションを一括インストールします。」
「推定所要時間、約三時間です。」
「……三時間?」
「はい。」
「長っ……。」
俺はベンチに深く腰掛けた。
やることがない。
ぼんやりと行き交う人々を眺める。
鎧姿の者。
スーツ姿の者。
笑いながら歩く者。
役場の中だけで、一つの街のようだった。
遠くから、聞き覚えのある声が響く。
「はーい! 次の方ぁ!」
「AIWatch貸し出しですねぇ。」
「登録はAIの担当ですのでぇ。」
……今日も平常運転らしい。
気が付けば、三時間が過ぎていた。
「基本アプリケーションのインストールが完了しました。」
「ご利用いただけます。」
「……終わった。」
俺は大きく伸びをした。
「今日はもう疲れた。」
「飯食って寝よう。」
「では宿泊棟へご案内致します」
そう言い残して
AIWatchは静かに腕時計型へ戻った。
うん。知ってる。
宿泊棟にはナポリタンが有名な食堂もあったよね。
「あ、ご存知でしたか。」
お前気持ちまで読めるのか?
「その質問にはお答え出来ません。」
「はいはい。とりあえず食堂いこうか。軽めの食事でいいんだけど。」
「メニューはこちらにナリマス」
便利だなこのAI(笑)




