28日目 ~恐山で穢れを祓ってみた~
28日目 ~恐山で穢れを祓ってみた~
眩しい光に包まれ、次の瞬間。
俺は恐山の神域へ立っていた。
青空。
白い岩肌。
静かなカルデラ湖。
緑の山々。
朱色の橋。
赤い風車。
風が吹き抜ける。
硫黄の香りが、ほんのりと漂ってきた。
「……綺麗だ。」
俺は思わず呟く。
もっと暗く、怖い場所だと思っていた。
けれど目の前に広がっていたのは、静かで穏やかな景色だった。
「恐山って……もっと怖い場所かと思ってました。」
AIWatchが静かに答える。
「そのような印象を持つ方は少なくありマセン。」
「しかし、ここは多くの方が故人を偲び、静かに手を合わせる霊場デス。」
「日本では神社とお寺、どちらも大切にしてきた文化がありマス。」
「初詣で神社へ参拝し、お寺へ参拝する方も珍しくありマセン。」
「そう言われると……。」
「俺も普通に両方行ってたな。」
風が吹く。
カラ……
カラ……
赤い風車が、ゆっくりと回る。
その景色の中で。
紫色の靄だけが浮いていた。
「……。」
「あれだけ、景色に馴染んでない。」
「穢れデス。」
「祓いマス。」
「え?」
AIWatchが淡く光る。
「武器へ変形シマス。」
「な、何が?」
「何に?」
「幸サンの趣味嗜好を分析。」
「最適解へ変形シマス。」
「いや、だから何に──」
バーン!
俺の手には、パイプ椅子。
「…………。」
「え?」
「幸サンの趣味嗜好に合わせ、最適解の武器へ変形シマシタ。」
「なんでーーーー!?」
「穢れが近付きマス。」
「来るなーー!」
ブンッ!
バーン!
グシャ!
バーン!
グシャ!
バーン!
グシャ!
「穢れの祓いは正常に完了シマシタ。」
「Watchへ戻りマス。」
「……え?」
「終わったの?」
「終わりマシタ。」
「……俺…」
「何した?」




