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整列

ましゅまろください

「昨日、奏が破壊した『核』の解析データを見てたの」


千景はそう言って、手元のキーボードを軽快に叩いた。

メインモニターに、複雑な波形データと赤く点滅するエラーコードが映し出される。


「白石が現場から回収してきた残骸を洗ってみたんだけど、やっぱり変。通常の発生プロセスとは明らかに違うエネルギーの残滓が検出されたわ。……これ、何者かが人為的に引き寄せた形跡がある」

「人為的に、か」


奏はお茶を喉に流し込みながら、画面の波形を見つめた。

侵食獣と戦った際に一部を回収した核だが、確かに通常のものより小さい上に形が整いすぎていた。


「思った以上に手の込んだ細工がされてるね」


創也がそう呟くと、千景は深く頷いた。


「ま、人為的でないとと学校とかいう場所に出ないか。ああいう怪物は」


白石がそう言って、ソファーの背もたれに体を預けた。


「何のためにあの学校に仕掛けたの? 特定個人を狙った犯行?」

「そこが一番の謎なのよね。昨日の被害状況を見る限り、特定の誰かを狙ったというよりは、学校という場所そのものを混乱させるのが目的だったようにも見えるし……」


千景はそう言って、飛ばしている小型ドローンで上空から学校を眺める。

映像には警察が数人いるくらいで生徒はほとんどいない。

教師もいない。


「そういや、学校の防衛システムも障害を起こしていたな。一時的なもので簡単に修復できたと言っていたが」

「学校の防衛システムって、ファタムが管理しているセキュリティと直結しているはずでしょ。それが怪物の出現と同時に都合よくバグるなんて、偶然にしては出来すぎてるわ」

「じゃ、やっぱりハッキングか、内部の人間が意図的にシステムを落としたか.......」


奏の呟きに白石は溜息をついた。


「ま、ここら辺は私の専門分野よ。邪魔だからみんな出ていってちょうだい」

「ちょっと、出ていってって、ここ俺の店兼隠れ家なんだけどな……」


白石が苦笑しながら頭を掻き、ソファーからよっこらしょと立ち上がった。


「千景が集中モードに入ったら誰も止められないね。僕たちは少し席を外そうか、奏くん」


創也も穏やかに微笑みながら、自分の分のカップを片付け始める。


「ん。千景、よろしくね」


奏が声をかけると、千景はすでに画面に没頭したまま、片手だけを小さく振って応えた。

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