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友人

次の日は、珍しく昼休みの教室に有栖がいた。


もっとも、蒼井が有栖のことを見始めてまだ数日しか経っていないのでこの数日のうちで初めてということになり、本当に珍しいことなのか蒼井にはは判断がつかなかった。


「有栖さん、今ひま?」


「暇だが。どうかしたのか?」


蒼井はひょいと手招きをして有栖とともに教室の外に出た。


「一緒にご飯食べませんか?」


「かまわないが……」


有栖はなぜ教室の外に出てから伝えてきたのか疑問に思ったが、それ以上に蒼井に一緒に過ごしたいと言われたことに舞い上がっていた。


「よかった」


「むしろ私が拒否すると思っていたのか?」


はい、となんてことないように肯定する蒼井に有栖は頭を抱えた。


「ですが、有栖さんなら大丈夫だろうとも思っていました」


「……そうか」


有栖が座り込んで弁当を広げると、当たり前のように蒼井が隣に座る。


「有栖さんのお弁当、それだけ?」


蒼井が驚くのも無理はない。有栖の弁当は大きなおにぎり一つだったのだ。


「ああ。

作る手間が減って楽なんだよ」


「有栖さん、作ってるの?」


蒼井の弁当は、弁当の見本のような弁当だ。


流石にタコさんウインナーは入っていないが、おおよそ弁当と聞いて想像するであろう弁当を持ってきていた。


もちろん、母親が用意したものをもってきているだけだ。


「ああ。

……いつも、わたしが作っている」


おにぎりの中には肉と野菜をいためたものが入っていて、蒼井は確かにこれでもいいのかと納得した。


「これからも、一緒に食べてもいい?」


「ああ。月が望むのなら、いつでも」


蒼井は、まだ食べ終わってもいない弁当箱を遠くにおいてうなずいた。

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