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きれいなひと  作者: 宵ノ雪
第二章 家族
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自由(玉兎視点)

朝はのんびり起きて、朝ご飯を食べた後にそのまま眠る。


家にいては考えられない怠惰な生活だ。


けれど有栖さんと会話にもなっていないような会話をしてだらだらと過ごすのは心地よくて、このままでいいかと思ってしまう。


ふと目が覚めて、まだお昼前だったのでも言う一度寝ようと目を閉じたとき、


ーーーピンポーン


心地いい朝を壊すようにチャイムが鳴った。


「ああ、来たか」


有栖さんがとなりで起き上がっていた。


「誰?」


「言ってなかったか?つきの母親だ」


……思い出した。


そういえば昨日、わたしの荷物を持ってくると言っていた。


「着替えてないし、髪もぼさぼさだ……どうしよう」


「待たせるわけにはいかないから、あたしが出ようか?」


有栖さんが出ようとするが、わたしだけでないわけにはいかないので仕方なく有栖さんに借りたパジャマのまま出る。


「……はい」


「あら玉兎。これ、あんたの荷物よ」


かあさまの差し出してきた荷物を受け取ると、かあさまはそのまま背を向けてしまった。


「何かないのか?娘だろう」


かあさまはちらりと振り返ってため息をついた。


「もう興味がないのよ。好きなことをしていいから。私はもう何も知らないわ。

実の娘でもないし」


それは、わたしを絶望に落とすには十分な言葉。


「かあ、さま?」


「さすがにそれは、」


有栖さんが何か言う前に、かあさまは背を向けて帰ってしまった。


「かあさま、」


わたしが手を伸ばしても、かあさまはもう振り返ることがなかった。


「ひろ、」


有栖さんが何かをしゃべっている。


でも、もう何も聞きたくないなぁ。


わたしには、もう、頑張る……意味も…………


「つき!」


ひろこちゃんの声が聞こえたのを最後に、わたしは意識を手放した。

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