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きれいなひと  作者: 宵ノ雪
第二章 家族
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家族

「なあ、玉兎」


ひろこちゃんが、仕事中なのに声をかけてきた。


「なに?」


「玉兎は、家族のことが好きか?」


ひろこちゃんにそう言われて、一瞬、返事をためらってしまった。


一般的には、好きと答えなければならない。


でも、わたしは……


「……はい。否定するのは、憚られるかな」


わたしの両親たちは悪い人ではないのだ、きっと。


「姉さまのことは、好き」


ひろこちゃんが少し驚いたような眼をした。


「そういえば、姉がいたな」


「覚えているの?そうはいっても姉さまとはもう、何年もあっていないのだけれどね」


なんどかひろこちゃんと姉さまは会ったことがあったはずだ。


「なぜだ?」


「言っていなかったっけ?わたしの両親は離婚していて、別々に引き取られたから。

それ以来ね」


ひろこちゃんはたいして驚いているように見えなかった。


どこで驚くのか、スイッチが謎。


「すまない、踏み込んでしまって」


「いいよ。ひろこちゃんには、知ってもらいたかったことでもあるし」


ひろこちゃんは笑ってくれた。



その日の帰り道、わたしは昔のことを思い返した。


もう、断片しか覚えていないけれど。

夏休みは時間感覚が狂います。

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